トヨタバッテリー株式会社
長野陽平さん(仮名・社内SE) 38歳
家族との時間を取り戻した転職。叶えたのは2年ぶりに再会した転職コンサルタント。
トヨタバッテリー株式会社で社内SEとして勤務する長野さん。大学では情報系の学部に進学し、新卒でシステム開発会社に就職。さまざまな業種の社内システム、アプリケーション開発を手がけていた。
十数年勤務して仕事自体は気に入っていたものの、勤務時間の長さに疑問を持つように。そこで環境を変えようと、理想の職場探しを始めるが、プライベートも忙しくなってしまったため転職活動を一時中断していた。
生活が落ち着いたところで活動を再開し、担当コンサルタントのサポートもあって理想的な職場を見つけることができたという。現在はワークライフバランスが整い、残業も少なく生活が充実しているという長野さんに転職活動を振り返っていただいた。
※本記事の内容は、2025年1月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで730日間
転職前
- 業種
- システム会社
- 職種
- SE・PM
- 業務内容
- 業務系システムの開発業務、顧客との調整、改善提案など
転職後
- 業種
- 自動車用部品メーカー
- 職種
- 社内SE
- 業務内容
- 社内のシステム部門インフラ整備、システムの老朽更新など
家族との絆も深まる理想の職場へ。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
トヨタバッテリー株式会社は、主にハイブリッド自動車用の車載電池を製造している会社です。トヨタ自動車の創始者「豊田佐吉」の出身地である静岡県湖西市に本社を構え、ハイブリッド自動車用電池のシェアは世界ナンバーワンとなっています。
初代プリウスで使われていた耐久性の高いニッケル水素電池や、より長時間使用可能なリチウムイオン電池を製造しており、今後は車載用次世代電池の開発なども手がけていく予定です。
私は社内SEとして採用され、社内システムにおけるインフラを担当しています。機器やサーバー、ネットワーク関係の土台となる部分を構築する仕事で、そこでトラブル対応や新システムの導入といった作業をしています。
現在進行しているのは老朽更新といって、OSのサポートが終了するまでにOSを更新する業務。サーバーが300台ほどありますが、2~3年かけて新しくしています。
入社前のご経歴を教えてください。
愛知県豊川市の出身で、名古屋の大学に進学し、情報系の学部を選択。そして新卒でシステム開発会社に入社し、さまざまな業種の社内システム、アプリケーション開発を手がけました。
給与や会計関係など、既存のシステムをカスタマイズして導入することもあれば、10人ほどのプロジェクトを立ち上げ、約1年かけて受発注や請求のシステムを一から作り上げるような大規模なものも手がけてきました。
入社後すぐは名古屋配属でプログラム開発を3年ほど担当しましたが、静岡に異動となって10年ほどクライアント対応をしていました。
その後、静岡在住のまま名古屋の業務をテレワークで担当していましたが、業務量の増加に伴い、再び名古屋へ異動。さらにそのタイミングで子どもが生まれたので、実家に近い豊橋に家を構えることを決め、豊橋から名古屋まで毎日電車通勤をしていました。
転職のきっかけは?
静岡勤務の時は会社の近くにアパートを借りて、会社まで自転車で通勤していましたが、平日は毎日22時~23時まで、土日もどちらかは仕事と勤務時間がとにかく長かったんです。なかなか家に帰れず、子どもに会えないのが辛いと感じていました。
豊橋から名古屋までは通勤に2時間弱かかります。朝は7時前に家を出て、帰りはいつも終電。通勤時間が長く体も大変で、「あと何年つづけられるかな」と思うようになりました。子どものために働いているはずなのに、ほとんど会えない状況にも疑問を感じ始めました。
転職活動はどのように進めましたか?
前回(2021年)の情報収集の際に担当してくれたのが、リージョナルキャリア静岡(株式会社リンク・アンビション)の内田さんでした。しかし、ちょうどその頃子どもが生まれプライベートも忙しくなったため、転職活動を一旦中断して豊橋に引っ越していました。
そして2023年に転職活動を再開。名古屋勤務だったため当初は名古屋の転職支援会社に相談しましたが、希望に合う会社と巡り合えず悩んでいました。
そんな時にふと内田さんを思い出し、久しぶりに連絡してみたところ「ぜひ、長野さんに提案したい企業があります」とトヨタバッテリー株式会社を紹介してくれました。
内田さんの提案に本当に感謝しています。2年前に私がどんな会社を希望していたかをしっかり記憶してくれていたのがありがたかったですね。家族もこの提案をすぐに気に入り、すでに面接をパスしていた他の3社はお断りして、当社一本に絞りました。
キャリア採用の面接に不慣れで不安がありましたが、内田さんが丁寧にサポートしてくださいました。転職活動やキャリアに関する視点も教えていただき、気持ちを整理できました。最終的に内田さんが背中を押してくださり、心強かったです。
今の会社に決めたポイントは?
第一優先事項は、家族との時間が確保できることでした。内田さんの話を聞き、当社は安心して働ける環境だと感じましたし、面接で人事担当者から直接話を聞けたのも良かったですね。
実際に働いてみると、想像以上に働きやすいと感じています。定時で帰れる日も多く、1〜2時間残業する日もあるという程度で、以前に比べて労務環境が非常に整いました。親会社のトヨタ自動車は残業に厳しく、勤務時間の管理が徹底しています。
また週に1度の定時退社日があり、絶対に定時帰宅しないといけない。みんな一斉に帰るので大渋滞になりますが(笑)、18時には家に着いています。定時退社の文化があるのは素晴らしいですね。オンとオフのメリハリがつけられるので生産性も高くなると感じています。
労働環境の改善を期待していましたが、想像以上でした。転職でここまで変わるとは思っていなかったので驚いています。
アプリケーション開発とインフラ、両方熟知したスペシャリストになりたい。
転職していかがですか?
満足度は文句なしの100点です。業種にはとくに拘っていたわけではありませんが、漠然と製造業がいいと思っていました。大手製造業で社内SEとして経験を積みたいと考えていたので、本当に希望が叶えられました。
転職して良かったと思うことは?
今までは10年以上アプリケーション開発の仕事をメインにしてきましたが、転職したことでインフラ系のスキルも少しずつ身に付けています。
同じシステム開発でも内容はまったく違います。アプリケーション開発はそのアプリのことだけ考えればいいですが、サーバーはすべてのアプリの土台をつくらなくてはいけないし、規模感も違う。初めて300台というサーバーの数を知った時は、こんな大規模な仕事をするのかと驚きました。
今は調べながら仕事をすることも多いですが、知識の幅が広がっているので、エンジニアとして日々成長できていると感じます。
アプリケーション開発の仕事に戻っても、インフラ基盤やセキュリティの重要性が分かっているからこそ、こんな構成、こんな運用の仕方がいいと提案できるような、両方を熟知するエキスパートになりたいですね。
どちらも経験しているという人は多くないので、社内で頼られる存在になりたいです。
困っていることや課題はありますか?
前職では、ある程度経験があり、自信を持って仕事をしていたので、考え方の「幹」がある状態でした。しかし現職では経験不足や未知の部分があり「幹」がしっかりしていないと思います。
調べながら、聞きながら仕事しているため、少し不安もあります。だからこそ自分が成長していると実感できているし、これから「幹」を育てていきたいと考えています。
今はまだ技術や知識習得に必死で周りを見る余裕はないですが、徐々に同僚とコミュニケーションを深め、信頼してもらえるようになりたいです。
生活面の変化はありましたか?
転職後は通勤時間が片道1時間に半減し、家族と過ごせる時間が増えました。朝と夜に子どもと会えるのが本当に嬉しいです。以前は子どもが起きる前に出勤し、帰宅時には寝ているという状況で寂しい思いをしていました。
今は土日が完全にオフで、切り替えがしっかりできることで、仕事への集中力も高まり、家族とのふれあいも増えました。家事・育児も以前よりサポートできるようになりました。ほぼ毎日子どもとお風呂に入っていますし、食器洗いや洗濯もできるようになりました。
無駄遣いも減りました。以前は仕事帰りに飲みに行くことが多く、ランチもほとんど外食で1000円程度使っていました。今は仕事が遅くなることもなく、社食では以前のランチ代の半額程度で食事ができます。長時間拘束がなくなりストレスも減ったため、ついにタバコをやめることもできました。
夕食の時間が早くなり、今はしっかり睡眠がとれるので、体力がつきだいぶ健康的になりました。仕事への集中力も格段に上がっていると思います。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
今回転職してみて大事だと思ったのは、第三者の視点です。会社を選ぶ際、家族に逐一状況を共有したことや、転職コンサルタントに相談できたことはとても良かったです。
転職は自分一人のことだけでは済みませんし、家族にも大きな影響があります。自分視点でしか見えていないと視野も狭くなりがちです。第三者からのフラットな視点でのアドバイスにもしっかりと耳を傾け、冷静に判断することで、本当に良い会社に入社できました。
もちろん最後は自分自身で決断を下しますが、親身になって相談できる友人や家族、そして長期間にわたって付き合える信頼できる転職コンサルタント、この両者が転職活動には必須だと思います。