株式会社建設システム
立花裕一さん(仮名・ITエンジニア) 39歳
家族のための転職が、自身の成長につながる職場との出会いに。
システムエンジニアの立花裕一さん(仮名)は、39歳で転職に成功した。静岡県内での転職で職種も変わらなかったが、仕事環境と生活は激変したという。前職では転勤や出張、残業が非常に多く、小さな子どもを2人抱える立花さん夫婦にとって生活面の負担は大きかった。ところが転職後は、ほぼ毎日17時の定時に帰宅でき、転勤の可能性も無くなったことで、念願のマイホームも購入できた。さらに、社内の技術レベルが高く、風通しのよい職場にも満足しているという立花さんに、転職体験談と成功のポイントを伺った。(※本記事の内容は、2020年9月取材時点の情報に基づき構成しています)
- 転職回数
- 1回
- 転職期間
- エントリーから内定まで50日間
転職前
- 業種
- システム開発
- 職種
- ITエンジニア
- 業務内容
- 地方公共団体向けWebシステム構築
転職後
- 業種
- 建設業界でトップシェアを誇るソフトウェアメーカー
- 職種
- ITエンジニア
- 業務内容
- Windowsアプリ開発
転勤や出張の多さに将来的な不安を感じ、転職活動を開始。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
土木・建設業界に特化したソフトウェアを開発・販売している会社でシステムエンジニアの仕事をしています。本社は富士市ですが、当社の建設業界向けソフトウェアは全国で3万5000社以上に導入されており、業界トップシェアを誇っています。私は静岡開発室に在籍し、新しいアプリの開発を担当しています。
入社前のご経歴を教えてください。
出身は京都ですが、福岡の大学へ進学。卒業後は静岡県内の自動車部品メーカーに就職しました。部品のライン生産や生産管理を6年間経験した後、静岡県内のシステム会社に転職。システムエンジニアとして、地方公共団体向けのWebシステム構築に約10年間携わりました。
転職したきっかけは?
1つは、転勤や出張が多かったことです。前職では10年の間に、千葉、横浜、それからまた静岡と、何度も転勤を経験しました。静岡に戻ってからも、地方公共団体がクライアントだったこともあって、頻繁に全国各地へ出張しなければなりませんでした。月の半分は出張していたと思います。2人の子どもはまだ4歳と0歳で、妻にも大きな負担をかけていました。もっと家族との時間をとりたいと思っていましたし、子どもが成長していくにつれ、転勤が多い環境に不安を感じるようになったんです。また仕事の面でも、クライアント対応業務の比重が増えていて、もう少しプログラムを組みたいという気持ちも強くなりつつありました。それで、「もし、いいところがあれば」という、軽い気持ちで転職サイトに登録したのが、今回の転職のきっかけです。
転職活動はどのように進めましたか?
転職サイトに登録し、システムエンジニアとして静岡市で働ける仕事を探していました。静岡市には妻の実家があり、両親の近くにいてあげたかったし、自分たちも何かと助けてもらいやすいだろうと考えたからです。スカウトメールの中から、4社のエージェントに話を聞いて、その中でリージョナルキャリア静岡にサポートをお願いすることにしました。
なぜリージョナルキャリア静岡を選んだのですか?
担当コンサルタントと話してみて、一番フィーリングが合ったからです。こちらのことを親身に考えてくれる様子が伝わってきました。何回か面談をして、全部で4社ほど紹介してもらったと思います。そのうち2社の面接を受けたのですが、担当コンサルタントの内田さんが面接にも立ち会ってくれてアドバイスをしてくれました。「そこまでしてくれるんだ!」と驚きましたが、非常に手厚いサポートに助けられました。
今の会社に決めたポイントは?
実際に多くのクライアントに使われている重要なシステムを作っている、という点です。システムは、「使ってもらって初めて価値がある」と思っているので、業界トップシェアというのは大きな魅力でした。とはいえ、私自身は当社のことをリージョナルキャリア静岡から紹介されるまで知りませんでした。ただ、建設業界で働いている義父に社名を話したら「知っている」とのこと。なにか縁があるのかなと感じました。
残業の少ない職場。充実した研修。新天地は、うれしい驚きの連続。
転職していかがですか?
ひとことでいうと、本当に転職して良かったです。まず、給料はダウンも覚悟していたのですが、初年度から現状維持できました。会社の雰囲気も非常に良く、面接の時から親しみやすい雰囲気だなと感じていましたが、入社後もその通りの社員同士の距離が近く、仕事に集中できる良い職場でした。さらに、驚いたのは充実した研修制度があったこと。中途入社のエンジニアはすぐに即戦力としての働きが求められる、と思っていたのですが、最初の2か月は研修から始まったんです。会社の理念や仕事の目的、必要な技術などを順序だてて教えてもらえたので、仕事の道筋をしっかりと理解してから現場に入れました。中途入社ですが、社会人としてのマナー研修をプログラムとして受けられたのも、実は今回が初めて。とてもありがたかったですね。そのうえ職場でも、「自分はこう思う」という意見を周りに伝えることができるし、耳を傾けてくれる風土があり、営業からも顧客からのリクエストがおりてきて、しっかりディスカッションできるので、働いていて充実感に満ちています。入社して初めて担当したアプリも少しずつカタチになってきました。なんとしても成功させたいし、全国のクライアントに使ってもらえることが今から楽しみで仕方ありません。
生活面の変化はありましたか?
転職前は静岡市内の賃貸マンションに住んでいたのですが、今回の転職を機に妻の実家の近くで一戸建てを買いました。静岡市に腰を据えることができて妻も安心していますし、子どもがまだ小さいので生活音を気にしなくていいので安心です。私の帰宅時間が早くなったのも大きな変化で、今の会社では、ほぼ定時の17時には仕事が終わるので、最初は「本当に帰っていいの?」と不安になりました。ソフトウェア業界はだいたい帰りが遅いですから。前職でも妻が体調を崩した時期があって、その時は上司に頼みこんで20時頃に帰宅していたのですが、仕事は持ち帰ってやらざるを得ませんでした。晩ご飯を作り、子どもに食べさせ、寝かせてから夜中までまた仕事をして、朝早くに出社する…という生活をしていたんです。そのような状況なので、休日は仕事の遅れを取り戻す日でした(苦笑)。家族からも、「なぜ休みの日に仕事をしているの?」といわれていましたが、今はそういうことがなくなり、休日はしっかり休むことができ、その分平日の仕事の効率も大きく向上しました。
今の会社はなぜ、定時で仕事を終えられるのでしょうか。
ポイントとしては、自社オリジナル製品を持っていて、製品の開発から販売まで手掛けている、という点が大きいのかなと思います。もちろん仕事の締め切りや製品のリリース日は決まっているのですが、そこに向かうまでの計画の立て方も正確な印象です。クライアントからの要求や関係業者の都合にも大きく左右されずにすむので、プロジェクトを計画的に進められるのだと思います。
困ったことや課題はありますか?
やはり会社ごとに風土があるので、それに慣れるまでは少し戸惑いました。しかも新型コロナ問題の最中に入社したこともあり、大半の社員がリモートで仕事をしていたため、しばらくは数名の同僚としか会話ができませんでした。そういった意味では職場に慣れるまで通常より時間がかかったかもしれません。でも、私の後にもどんどん中途入社で優秀な人材が入社してきているので、社内はとても活気があるし、新しいメンバーの受け入れ態勢も整っていると感じます。
転職してよかったと思うことは?
まずは、家族との時間が大幅に増えたことですね。妻も、私が早く帰ってこられるようになって、喜んでくれています。以前はよく、「何時に帰ってくるの?」「今日は帰ってくるの?」と電話がかかってきていましたが、今は私の帰りの時間が読めるし、休日もちゃんと休みがとれるので、妻も計画が立てやすくなったようです。仕事の面でも、自分のプログラムの知識を見つめ直すことができました。当社は、「こういう開発方法で仕事を進めよう」という軸がしっかり決まっていて、みんながその方向に向かっていくので、とても作りやすいし、使い手にとっても汎用性が高い製品に仕上がるんです。そこの仕組みには、驚かされましたね。それに私自身の意識も変わりました。以前は、恥ずかしながら「システムは動けばいい」と考えていました。でも当社では、「いかにもっと使いやすいツールにするか?」ということを皆が常に強く意識していて、ちょっとした使い心地にもこだわるし、それがトップシェアという結果にもつながっているんだと感じます。社内の、みんなから見える場所には、クライアントからの「使いやすかった」「便利になった」という声が掲示してあるんです。クライアントと直接ふれあうことはありませんが、やりがいを感じますね。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
私の場合、「転職しなきゃ」と、焦らなかったことが、成功のポイントだったのかもしれません。焦るとどうしても視野が狭くなりますが、気持ちに余裕があれば、いろいろな会社をじっくり比較検討できます。ですから、あせらずゆっくり構えて活動することをおすすめしたいと思います。また、リージョナルキャリア静岡を利用したことも、とてもよかったです。私の話をじっくり聞いて頂いた上で、希望に合う会社を紹介してもらえるだけでなく、面接での押さえるポイントや具体的な企業情報等を分かりやすく共有してくれたりと、非常に丁寧にサポートしてもらえました。また事前に、先方に私の転職理由等の情報を共有してくれていたので、面接のときもスムーズに会話が弾んだことを覚えています。ですから1人で悩みながら転職活動を進めるよりも、相談して良かったと心から思います。