ヤマハ発動機株式会社
岩田孝幸さん(仮名・社内IT担当) 32歳
コンサルタントと戦略的に挑んだ転職活動。Iターンで理想の地方暮らしと夢の職場を手に入れた。
大学卒業後、東証一部(当時)上場企業グループのシステム開発会社でエンジニアとして活躍していた岩田さん。プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなどを経て、社内でも頼りにされる存在になっていた。
会社や仕事に対して不満はなかったものの、東京や大阪という大都市で働くことが肌に合わず、子どもが生まれたタイミングで地方への転職を検討するようになった。
学生時代に希望していた製造関係の仕事に就きたいと考えていたところ、リージョナルキャリア静岡のコンサルタントから憧れだったヤマハ発動機を紹介され、Iターンを決意。夢を叶えることとなった。
「今住んでいる場所は、自然を感じられるのびのびとした環境で、今までで最高の場所」と語る岩田さんの転職ストーリーを紹介する。
※本記事の内容は、2022年2月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで60日間
転職前
- 業種
- 東証一部上場SI
- 職種
- SE、PMO
- 業務内容
- ERPパッケージのアプリケーション開発、プロジェクト管理など
転職後
- 業種
- 輸送用機器メーカー
- 職種
- IT本部 システム導入コンサルティング
- 業務内容
- 業務改善のためのIT化、DX推進など
「ものづくりに携わりたい!」学生時代から抱いていた熱い想いが再燃。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
ヤマハ発動機はオートバイを中心とした輸送用機器を製造するメーカーです。電動自転車やボート、産業用ロボットなども製造しており、グループ会社ではスポーツチームやレジャー施設の運営など、幅広い業界に携わっています。
私が所属しているのはヤマハ発動機本社のIT本部で、その中にあるプロセスIT部という部署です。今ヤマハ発動機では、DX推進のひとつとして業務改善のためのIT化や既存システムに対する刷新活動をグループ全体で進めています。私もその一端を担い、グループ全体も見据えたコーポレート領域の改善・IT化を担当しています。また、人事や経理、総務などの各部署とシステム会社の橋渡しを担ったり、各部署に新しくシステムを導入する際のコンサルティングを担当しています。
入社前のご経歴を教えてください。
茨城県出身で、大学進学とともに上京しました。大学ではシステムデザインを専攻し、卒業後は都内に本社があるシステムインテグレータに就職しました。入社後はERPパッケージという企業の経営効率化のための統合的な管理ソフトウェアの開発や導入を行う部署に配属されました。
私は主に人事給与関連を担当し、システム導入から運用、保守まで携わっていました。入社3年目には新プロジェクトに参加する関係で、大阪へ転勤することに。そこからプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーを経て、最終的には1つのサブシステムの西日本エリアにおける製品責任者(実際のポジションとしては無いですが)の立場まで経験させていただきました。
Iターンのきっかけは?
学生時代、生産管理の情報システムによる業務カイゼンについて研究したことがあり、卒業後はものづくり系の企業に就職したいと思っていました。しかし私はシステム系の専攻だったので、新卒で就職する際は、「まずITの経験を積んでおき、いつかその経験を携えて製造系の企業に入れたら」という想いを心に秘めていました。
それから8年ほど経ち、そろそろシステムを使う側、製造系の企業に行ってみたい、ステップアップしてみたいという想いが再燃してきました。また、妻も私も元々田舎育ちで、東京や大阪という都会の生活にしっくりきていませんでした。人混みも好きではないので、休日に外出するのも億劫になってしまうことも度々ありました。
そんな中、子どもが生まれ、子育ての環境はもっとのびのびとできる場所がいいな、という想いが大きくなりました。引っ越し先としては、私の地元の茨城なども候補にあがったのですが、妻の地元の愛知県の周辺であれば、のんびりとした風土だし、義両親による子育てのサポートも受けられていいかな、と思いました。
転職活動はどのように進めましたか?
始めは軽い気持ちで転職サイトに登録したのですが、様々な転職支援会社のコンサルタントが声を掛けてくださったおかげで、転職しようという気持ちが徐々に固まってきました。その中でもリージョナルキャリア静岡のコンサルタント、池戸さんは静岡エリアに特化した情報をたくさん持っていて、私の希望に沿った企業をいくつか紹介してくれました。
その中の一つにヤマハ発動機があり、希望する旨を伝えると、先方が求める人物像やPRの仕方などのアドバイスをいただいたうえで、履歴書やエントリーシートの添削、面接対策も併せて進めて行きました。
今の会社に決めたポイントは?
いくつかあるのですが、一番大きかったのは、もともと「YAMAHA」のブランドに強い憧れを抱いていたことです。学生時代にヤマハのバイクに乗っていたので、思い入れがありました。また妻もピアノを弾くので、音楽のほうですがヤマハは好きなブランドでした。ですからヤマハ発動機へ転職することを、とても応援してくれました。
それからヤマハ発動機の「自由闊達な企業風土」にも惹かれました。個人は自立し、自由に自ら考え、自ら行動する。しかし高い志を共有し、研鑽し合うという風土です。実際に働いてみて、本当に自由でありながら、個人は自立し、それでいて統制もとれていると感じます。一緒に働いている方も、魅力的な人が多いですね。
そして今、さまざまな企業でDXを採り入れ始めていますが、ヤマハ発動機でもグループ全体で大々的にDX推進を行っているので、自分もその中に入って更に成長していきたいと思いました。
大切なのは住環境。都会から地方へ引っ越したら、プライベートが充実し休日もアクティブに!
転職していかがですか?
転職して5カ月ほど経ちますが、憧れの会社に入社でき、満足度は非常に高いです。もちろん前職で得た知識や経験が活きていることもありますが、前職で担う範囲は売る立場でのシステム導入であったのが、今はユーザの立場で会社全体、そしてグループ全体のことを考え、業務の最適化のためのシステム環境を作っていかなくてはいけないので、視野が広がり、自分が活躍できるフィールドも広げていけると感じます。当社が促進しているDXの一端を自分も担えていると思うと嬉しいですね。
また、職場の雰囲気も良いです。私が所属するチームは20~30人ほどいるのですが、どなたも優しく、親切な方が多いです。
転職して良かったと思うことは?
転職前に期待していたものはだいたい得られたなと思います。ワークライフバランスも非常にいいですね。前職では残業が多い時は月40時間ほどでしたが、今は10時間ほどと、かなり減りました。家に早く帰れるので、家族と過ごす時間が増え、妻も喜んでくれています。子どもが今2歳なのですが、小学校に上がる前のタイミングに引っ越せたというのも良かったと思っています。
困っていることや課題はありますか?
前職とは異なり、プロジェクトにおいて1つのシステムだけでなく自社で導入済みの他のシステムも含めた全体を把握して進行すること。これが今の自分にとっての課題です。今まではシステム会社に所属していたので、担当するシステムのことだけがわかっていればよかったのですが、今度はシステムを使う側の立場の視点や他のシステムとの連携を意識しなくてはなりません。そのためには、システムを使う部署の方に、業務で困っていることなどをうまく聞き出し、意見をまとめ、更にそれをかみ砕いて、外部のシステム会社に伝えることも必要です。
また、プロジェクトの打ち合わせの際は司会進行役であるファシリテーターをやらなくてはいけないのですが、今まではそういった経験がなかったので、なかなか苦労しています。テレビのMCの方って凄いなと思いました。自身の成長に繋がると思い、日々精進しています。
生活面での変化はいかがですか?
住む環境は格段に良くなりましたね。東京や大阪での暮らしは窮屈な感じがしていましたが、浜松ではのびのびとできて、本当に気に入っています。買い物はどこへでも車で行けるし、公園など子どもが遊べる場所もたくさんあります。出かけるのが楽しくなり、すごくアクティブになったと思います。実は最近、ランニングを始めました。近くの海沿いを走っているのですが、すごく気持ちがいいですよ。
今まで茨城、東京、大阪など様々な場所で暮らしてきましたが、今の生活環境が一番いいと、自信をもって言えますね。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
ヤマハ発動機の採用面接はすべてオンライン上で行われました。IターンやUターンの場合、通常であれば面接地が遠いことも多く、有給休暇をとって面接を受けに行くこともあって大変ですよね。しかしコロナ禍では、会社に出向かなくても面接していただけるので、ある意味転職のチャンスだと思いますよ!
Iターン先に関しては、私の場合は妻の実家が近い場所にあり、まったく知らない土地というわけではなかったため、不安はありませんでした。自然を感じる落ち着いた場所に引っ越せて、心から満たされています。今、都会で息苦しさを感じている方は、思い切って地方へ行くなど、環境を変えてみることをおすすめします。
それから、転職活動の成功には頼れるコンサルタントを見つけることも大切だと思います。今回の転職の成功は、一緒に戦略を立て、支援してくださったコンサルタントの池戸さんの力が大きかった。みなさんも信頼できるコンサルタントを見つけて、夢を叶えてください。