スター精密株式会社
高橋 潤さん(仮名・社内SE) 40歳
40歳、昇進目前で覚悟の転職決断。諦めずに手に入れた、憧れのグローバルな仕事。
情報系の専門学校を卒業後、一貫して情報システム部門でキャリアを築いてきた高橋さん。責任ある仕事も任され、大きな不満はなかったものの、心の片隅にはずっと「グローバルな仕事に携わりたい」という想いがあった。
そして、40歳という節目を間近に控えた元旦。「挑戦するなら今しかない」と家族に打ち明け、自分の可能性を探る転職活動をスタート。
「希望通りの求人は見つからないかもしれないと思っていた」と高橋さんは当時を振り返るが、結果的に仕事内容、給与、家族との生活などあらゆる点で前職を上回る理想的な環境にたどり着いた。
新しい環境で充実した日々を過ごす高橋さんに、今回の転職活動について詳しく伺った。
※本記事の内容は2025年5月取材時点での情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 1回
- 活動期間
- エントリーから内定まで50日間
転職前
- 業種
- 商社
- 職種
- 情報システム・社内SE
- 業務内容
- グループ全体のIT戦略、企画、プロジェクト管理、情報資産管理。各種システム導入、グループウェア、ワークフロー、メール管理。
転職後
- 業種
- 工作機械メーカー
- 職種
- 情報システム・社内SE
- 業務内容
- 菊川拠点のIT戦略、企画、システム導入、インフラ・ネットワークの管理。海外拠点立上げ(インフラ、ネットワーク、セキュリティなど)ほか。
「グローバルに携わる仕事がしたい」―ずっと胸に抱いていた憧れ。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
スター精密株式会社は、工作機械と小型プリンターを製造しているメーカーです。入社から1年が経ち、現在は情報システム部内のグループリーダーを務めています。
当社には工作機械を製造する機械事業部と小型プリンターを製造する特機事業部がありますが、私のグループは機械事業部の案件を担当し、情報システムの観点から支援するのが主な役割です。
具体的には、営業活動から商談、業務報告に関するシステムのクラウド化の推進や、菊川に新しく建設中のスマートファクトリーでネットワークやICTの導入を行っています。
また、海外にも多くの拠点があり、生産システムや会計システムの統合にも関わっているため、海外出張も実現しました。
入社前のご経歴を教えてください。
静岡県出身で、コンピューター関係に興味があったことから、情報系の専門学校に進学しました。スター精密は3社目となりますが、ずっと情報システム部門でネットワークやセキュリティ、各種システムの導入などDXに関する業務に携わってきました。
前職は静岡県内に本社を置き、多くのグループ企業と従業員を抱える会社でグループ共通システムの企画や導入、各種DX推進、コロナ禍でのワークスタイル改革プロジェクトなどを担ってきました。
特に大きな不満もなく、そこで12年間働いて責任のある仕事も任されていました。
転職のきっかけは?
昔から海外旅行や英会話が好きだったこともあり、海外と関わる仕事にずっと強い憧れを抱いていました。前職でもJETROへの出向に手を挙げたことがあったのですが、その時は担当していた業務から離れられないなど、残念ながら機会に恵まれませんでした。
そして、ありがたいことに昇進の話もあったのですが、昇進すれば担当業務や責任範囲が広がり、異動や出向などのチャレンジはますます難しくなるだろうと感じました。
そんな中、40歳を間近に控えた元旦の初日の出を愛犬と眺めているときに、「転職するなら今だ」と思ったのです。まるで天の声が降ってきたような感覚でした。
海外にチャレンジする転職なら年齢的にもラストチャンスだと思い、帰宅してすぐ家族に相談し、情報収集を開始しました。
転職活動はどのように進めましたか?
正直、そう簡単には見つからないだろうし、うまくいくとも思っていませんでした。おそらく、家族も同じように考えていたはずです(笑)。
まずは二つの転職サイトに登録して、採用企業や転職支援会社からの連絡を待ちました。「今どんなオファーがあるか」という情報収集から始め、興味を惹かれる企業があればコンタクトを取るというスタンスでした。
リージョナルキャリア静岡で担当いただいた溝口さんからの連絡もその一つでした。メッセージの内容から、静岡県内の優良企業の求人案件を多く取り扱っていて経験も豊富だと感じ、面談をお願いしました。
面談調整、求人紹介、選考中と一貫して溝口さんのレスポンスが早かったのが印象的でした。
また、スター精密の設定していた応募条件で自分の経歴と合致しない部分があったのですが、すぐに諦めるのではなく、「このポジションは高橋さんの志向に合うと思うのでチャレンジしてみましょう」と背中を押してくれました。これが一番ありがたかったですね。
結果的に今そのスター精密に入社できているので、溝口さんにはとても感謝しています。
今の会社に決めたポイントは?
いくつかありますが、まずは「グローバル」というキーワードです。売上の8割以上が海外で、欧米やアジアを中心に海外拠点がいくつもあり、転職理由である「自分のやりたかった仕事」に繋がると感じました。
また、経営理念にも共感しました。応募前にも企業TOPインタビューで佐藤常務の記事を読んで、「社員の成長に惜しまず投資してくれる会社なんだ」と感じたのですが、選考過程では他の面接官からも同様のメッセージを感じ、従業員を本当に大切にしてくれる会社だと実感しました。
最後に、年収がアップしたことや、福利厚生、休日といった待遇面が非常に良かったことも大きな理由の一つです。どんなにやりがいのある仕事でも、家庭を犠牲にするような選択は難しかったと思います。
簡単には諦めない。夢を掴むためにはまずはチャレンジ。
転職していかがですか?
後悔は一切なく、転職して本当に良かったと感じています。ちょうど入社する頃にインドで新しく販売拠点を作る計画があったのですが、いきなり任せてもらえることになり、入社翌月にはさっそく海外出張が実現しました。
テナントが入っているだけのビルに足を運び、現地でネットワークやシステムを調達するところから携われて、とても嬉しかったです。
また、年功序列ではない評価制度も導入され、ありがたいことに2年目でグループリーダーを任されています。広範囲で業務に携わることができ、とてもやりがいを感じています。
転職して良かったと思うことは?
今の会社は社員のレベルが本当に高く、求められる仕事の精度も高く、スピード感や責任感など、仕事環境としてはシビアな面もあります。
ですが、それが私にとってはとても良い環境で、前職での経験や実績が活かされることもありますし、ハイレベルな環境で働けることに感謝しています。
環境面ではもう一つ、従業員の成長を後押しする投資は惜しまないため、継続的な勉強習慣ができたのも良かったです。
伸びたい方向に対して支援をしてくれる制度があるおかげでスキルアップもできますし、会社に貢献できると思います。
困っていることや課題はありますか?
前職までは間接部門にいて、会社やグループに対してどのようなITを導入すべきかという視点で働いてきました。
今は現場に近いところにいますが、工作機械の開発や組み立ての課題となると分からないこともあり、現場業務に関しては一から理解を深めていく必要があります。
現場の業務が分からないと情報システムの適切な提案もできないので、これからも勉強が必要だと感じています。
生活面での変化はありましたか?
フレックス制度をしっかり活用できるようになり、早い時間に帰宅する日もできました。おかげで家族と過ごせる時間が増えました。子どもたちが成長段階にあるので、一緒に過ごせるのは嬉しいです。
それに以前は何となく過ごしていた時間も、勉強など自己研鑽にあてられるようになったことも変化です。この環境はとても恵まれていると感じます。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
気になる会社の募集要項や求める人物像にマッチしていなくても、「諦めるのはまだ早い」と伝えたいです。「自分は当てはまっていない」と思っても、転職コンサルタントに相談してみてください。そこから道が拓け、夢が叶うきっかけになるケースもあるでしょう。
私の場合も担当コンサルタントの溝口さんが「チャレンジしてみましょう」と言ってくれたおかげで今の会社に入社できています。本当にありがたかったです。
そしてもう一つは、転職してから後悔することのないように、自分が前に進むための下調べや人事担当との話し合いを慎重にしてください。
後悔があると自分自身だけでなく、家族や会社にも迷惑がかかることもあるので、正直に納得できるまで話をしたうえで一歩踏み出してみてください。