株式会社静岡銀行
高嶋康太さん(仮名・法人営業) 35歳
コンサルタントと見極め、掴んだキャリアは多彩な金融サービスを擁する大手地銀。
大学で経済を学び、会社の基礎である資金に関われる仕事に関心を持ち、金融業界を志望した高嶋さん。新卒で入社した金融機関では、希望の通り融資業務に従事していた。
しかし、実務を通じて感じたのは「融資にとどまらない、さまざまな角度からの企業支援」の重要性だったという。困難な状況の顧客企業に対してできることはないかと考えたが、当時は経験不足で会社としてできることにも限界があった。
「もっと勉強して多くの会社を救える人材になりたい」「金融に関する幅広い経験が積める環境で働きたい」そんな想いを胸に転職を決意した高嶋さんの転職活動を振り返ってもらった。
※本記事の内容は、2025年1月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 1回
- 活動期間
- エントリーから内定まで240日間
転職前
- 業種
- 金融機関
- 職種
- 法人営業
- 業務内容
- 事業者への融資渉外、貸付金回収などを担当。
転職後
- 業種
- 金融機関
- 職種
- 法人営業
- 業務内容
- 融資を中心に、設備のリース、お客さま同士のマッチングなど、さまざまなサービスを提案。
「お客さまを救える存在になりたい」とステップアップ転職を決意。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
私が勤務する「株式会社静岡銀行」は、静岡県静岡市葵区に本店を構える地方銀行です。三大地銀の一つに数えられ、預金、貸出、融資、為替に加え、お客さまの課題解決に向けたコンサルティングなどの銀行業務を行っています。
私は伊豆にある稲取支店に勤務し、稲取・河津エリアの渉外を担当しています。毎日地元の企業や個人事業主のもとへ顔を出し、融資の話をメインに、キャッシュレス決済端末の導入や経費精算用の法人カード提案、設備のリース、お客さま同士のマッチングなど、さまざまなサービスを提供しています。
社員寮から勤務先まで、通勤時間は30分少々。転職してから週末は実家のある藤枝に帰るという生活を始めて、今2ヶ月半ほど経ったところです。
入社前のご経歴を教えてください。
静岡県藤枝市の出身で、大阪の私立大学に進学しました。就職する際に汎用性が高いと考えて経済学部を選び、就職先は金融系を希望。資金は会社の基盤として非常に重要な要素である点に興味を持ち、融資業務を通してさまざまな企業と関わりながら、その成長をサポートしたいと考えていました。
そして、新卒で就職したのは一次産業向けの金融機関。そこで事業者や関連企業への融資を担当していましたが、債権回収業務にあたることもありました。
はじめは藤枝市の実家から通っていましたが、その後会社で部門譲渡や合併などが行われたため、県内の沿岸部や浜松市、御前崎市、静岡市に転勤したこともありました。
転職のきっかけは?
ステップアップしたいと思ったことです。前職で融資の仕事をしていた時、融資先が倒産してしまったことがありました。しかし、M&Aや事業継承先を探すなど、何らかの方法で事業を継続させられる方法があったのではないかと思ったんです。
当時は経験不足で、自分ではどうすることもできなかったのですが、「事業継続につながる選択肢を提案できるようになり、お客さまを助けたい」と考えるようになりました。
転職活動はどのように進めましたか?
まず、どんな企業がどんな職種を募集しているのかを知るために、静岡市のグランシップで行われていた転職フェアに参加しました。情報収集をする中、結局イベントを主催していた大手転職支援サービスにサポートをお願いすることにしました。
それと同時に、インターネットで見つけたリージョナルキャリア静岡(株式会社リンク・アンビション)にもエントリーしました。転職活動をするなら、地元静岡のことをよく知っている地場の転職支援会社が良いと思ったからです。その2社の転職サービスを利用して活動を進めていきました。
大手転職支援サービスは電話で転職相談をして、メールで5〜10社ほどの会社を紹介してくれましたが、やりづらさを感じていました。というのも、私は外回りで直接話をするのに慣れているので、電話だけだと相手の温度感などが分かりづらいと感じていたからです。
一方、リージョナルキャリア静岡の担当コンサルタントの植松さんは、私の転職にじっくりと向き合ってくれているのが伝わってきました。直接会って、1時間を超える面談を通じて転職動機や希望条件を丁寧に掘り下げてくれました。
まだ自分がどのような転職をしたらいいのか迷っていた時期だったので、自身の考えや違和感について相談しましたが、じっくりと話を聞いていただけて嬉しかったです。そして応募書類についてのアドバイスもくださり、自分の強みがうまく伝わるように指導してもらえました。
転職は初めてだったので、このような手厚いサポートが普通かと思っていましたが、友人が利用した大手転職支援サービスの対応は電話やメールだけで、そこまでしてくれなかったと聞いて驚きました。植松さんが担当で良かったです。
今の会社に決めたポイントは?
最初は自己分析も十分に行わず、「この会社なら自分のキャリアを活かせそう」と感覚的に受ける会社を選んでいたこともあって、一次面接から先に進めずに悔しい経験もしました。
そんな折、担当コンサルタントの植松さんと面談して、「自分には何ができて、何がしたいのか、働く上で軸となる部分を重視したほうがいい」とのアドバイスをいただきました。
静岡銀行については、最近は融資業務だけでなく経営コンサルティング業務にも力を入れているという情報を教えてもらい、企業に寄り添った仕事をしたいと考えていた私にとって、理想の転職先なのではと感じました。
具体的には、まず地元企業を支えていること。自分が思っていた以上に、地元の企業を支援していこうという想いが強い会社であると感じました。
より多くのお客さまと話をするため、私は外回りで毎日5件は顔を出すことを目標として顔を合わせる頻度を高めるとともに、お客さまがイベントを主催する際にお手伝いで参加するなど快くサポートしています。
そして、お客さまの問題を解決するたくさんの選択肢を持っていること。金融商品は種類が豊富ですし、同グループ内にさまざまなソリューションを提供できる会社があります。あらゆる角度から提案できるのが嬉しいですね。
お客さまにとっての「かかりつけ医」のような存在になりたい。
転職していかがですか?
第一志望の会社に入れたので、満足度は高いです。地域における会社の知名度や信頼感が高く、お客さまに頼られていることを実感すると、大きなやりがいを感じますね。
ゆくゆくは、お客さまの「かかりつけ医」のような存在になりたいと思っています。お客さまが必要としている商品をすぐに提供でき、さらにFP(ファイナンシャルプランナー)やITパスポートといった資格を取り、知識と経験を積んで経営に関するさまざまな課題をサポートできる存在になりたいです。
前職の経験が活かせているのは、融資の考え方や用語の知識でしょうか。お客さまへの訪問にも慣れており、抵抗がないという点は良かったです。しかし、同じ金融機関でも仕事の進め方が異なる点もあるので、慣れるまで大変な部分もあります。
転職して良かったと思うことは?
勉強熱心な同僚から、大きな刺激を受ける環境に身を置けることです。ステップアップを目指して転職しましたが、静銀の同僚は情報収集に敏感で勉強熱心だと感じています。日経新聞や地元の伊豆新聞のチェックはもちろん、取引先に応じた専門書を読んで勉強している社員もいます。
資格や検定の試験を受ける人も多く、私自身も刺激を受けました。私も今月一つ資格を取得しましたが、学ぶことが好きなので、この環境はとても気に入っています。
ちなみに資格取得は会社も推奨しているためバックアップ体制があり、資格の種類に応じてインセンティブの支給もあります。
困っていることや課題はありますか?
前職とは異なる文化や考え、システムなどについては慣れるまでが大変です。それから、キャリア採用なので「新入社員とは違う」という見られ方をします。金融機関での勤務経験があっても知らないことはたくさんあるので、日々学び続けなければいけないと感じています。
それから、取り扱う商品が多く、コンプライアンスも徹底されているため、会社の規程が多くて文書を探すのも一苦労です。しかし、これも大切なことだなと感じています。
生活面の変化はありましたか?
仕事量は前職よりも増えていると感じますが、定時退社のキャンペーンがあるためか、メリハリがあり残業時間は減っています。しかし、仕事を覚えつつ資格の勉強もしなくてはならないので、大変だと感じることはありますね。
毎日忙しいながらも気分転換したいと思い、大型バイクの免許を取るため教習所に通い始めました。とりあえず実家周辺で乗る予定ですが、いつか職場のある南伊豆までツーリングに行きたいです。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
まずは行動を起こすことをおすすめします。私はまず自己分析、次に転職先の選定、そして選考対策という流れで取り組みました。
自分に何ができるのか、何をしたいのか、転職する上での軸を突き詰める。そして情報収集し、それができる会社を探す。転職先の目星をつけたら、過去の記事が読めるデジタル版の新聞などでその会社の記事を読んでみるといいですよ。
私は志望企業各社の職場環境や待遇などを点数づけし、5段階評価を付けました。各項目を点数で判断できるようにしておけば、感覚と違ってブレないですから。各社の選考方法については分からない部分が多いので、リージョナルキャリア静岡のコンサルタントにアドバイスをもらうのが一番だと思います。
今回の転職で複数の企業選考を受けましたが、この方法で迷いなく第一志望を決めることができたので、参考になれば嬉しいです。