転職成功者インタビュー

株式会社ハマネツ
廣瀬拓海さん(仮名・人事) 32歳

大切な家族と自分の未来のために見つけた「ずっと働き続けたい企業」。

誰もが知る大手菓子メーカーで、企業内の労働組合の専従者を務めていた廣瀬さん。労働基準法を勉強し、組合員の代表として経営陣に給料やボーナスを上げるように交渉するという、重大な任務を遂行していた。別法人への出向であり、少人数の組織だったため、中小企業の経営者のような感覚だったという。

その後労働組合を離れ一社員に戻った時、「もっと裁量権のある仕事がしたい。大企業は安定しているかもしれないが、一般社員ではできることが少ない。だったら中小企業で探してみよう」と感じるようになる。

良い中小企業は地方にあるかもしれないと、地元静岡でも会社を探し、スカウトされるという形で、静岡県浜松市の魅力的な会社に出会う。埼玉に所有していたマンションは惜しげもなく売却し、浜松へのUターンを決めた廣瀬さんの転職活動について、詳しく伺った。

※本記事の内容は、2022年12月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで90日間

転職前

業種
大手菓子メーカー
職種
総合職
業務内容
法人営業として実績を積んだ後、労働組合専従者として、社内教育制度の企画や労使交渉、会計(監査)等に従事。

転職後

業種
国内シェアナンバーワンの仮設トイレメーカー
職種
人事
業務内容
課長職として、就業規則や給与体系の見直し、勤怠システム導入といったプロジェクトの推進。

大手菓子メーカーで労働組合の専従に。

現在のお仕事はどんな内容ですか? 

私の勤務先「ハマネツ」は、屋外仮設トイレをはじめ、海水浴場等に置かれているシャワー、避難所のトイレなどを製造販売しているメーカーです。柱となっている仮設トイレ事業は、国内シェアナンバーワンを誇ります。

避難所用トイレは、公民館などの避難所に備蓄しておくもので、震災等があったときに、テントを立てればすぐトイレになるというもの。その他、オゾンなどを使った、除菌・脱臭の機械の製造をしており、会社としては「快適で安全な環境の創造」を方針として掲げています。

勤務先は浜松市にある本社で、私が所属しているのは、総務部の総務グループ。入社して1年になりますが、人事をはじめ総務、情報システム等の業務を統括する、グループリーダーという課長職に就かせてもらっています。

前職で学んだ人事の知識を活かし、就業規則や給与体系の見直しのプロジェクトに参加しています。また、先日子会社ができたのですが、その就業規則の作成も担当しています。現在はタイムカードの代わりになる勤怠システム導入プロジェクトの責任者も任されています。

入社前のご経歴を教えてください。

静岡県浜松市出身で、大学は滋賀の立命館大学経済学部を卒業しました。新卒で入社したのは大手の菓子メーカー。入社後は名古屋に配属され、4年間はスーパーなどへお菓子を売る、営業の仕事をしていました。

その後は推薦されたこともあり、東京で労働組合の専従となりました。企業内の労働組合だったのですが、法人格のある組織だったので、別の法人へ出向という形で、全くの別組織として所属しました。

主な仕事は労働基準法等を勉強し、給料やボーナスを上げるよう経営陣と交渉すること。職員は役員5人だけだったので、中小企業を運営しているような感覚があり、難易度の高い交渉や調整業務から、ソフトウェアの選定、文房具はどれにするかという細かい仕事までこなしていました。

異動から4年後、労働組合の道で生きていくか、それとも会社に戻るかというタイミングがあったので、会社に戻る決意をし、物流部へ配属になり2年弱。その後営業へ配属になり、最終的には丸10年勤務しました。

転職のきっかけは?

労働組合の仕事を辞めた後、一般社員に戻ったのですが、仕事に物足りなさを感じてしまったんです。以前は経営の近くにいて、会社に関する重要な情報も入ってきていました。しかしそのような情報は入ってこなくなり、自分が会社へ与える影響も少なくなりました。

以前は細かなルールや備品までも自分たちで決めていたのに、今では決められた仕事を淡々とこなすだけ。しかも5年ぶりに営業部に戻った時、5年前と全く変わっていないことに驚いて。仕事の流れも使っている書類もまったく変わってない。ここにいたら自分が成長できないと思いました。

また、企業の労働組合の専従者というのは、出向状態であり、会社からはお金をもらえません。課長以下の従業員である組合員から組合費をもらい、その中から給料が出ています。つまり、お客さんが会社の先輩や後輩なんです。そんな風に社内にいる仲間たちのためにやる仕事の方が自分に向いているのではないかと思ったんです。

転職活動はどのように進めましたか?

組合を辞めたタイミングで、有名な転職支援サイト2つになんとなく登録してみましたが、なかなか具体的な行動を起こす気持ちになりませんでした。

しかし10年後、20年後のことを真剣に考えたときに、このままではまずいと思い、口コミで全国の転職情報に強いと書いてあった某サイトと、静岡の転職情報に強いという「リージョナルキャリア静岡(株式会社リンク・アンビション)」の2つに絞り、電話をかけました。

前職での経験から、裁量を持って関われる、中小企業の総務・人事の仕事を希望していたのですが、実は当時、池袋から電車で20分の場所、埼玉の朝霞市にマンションを所有していたんです。

「売るのは大変だから転職は都内で」と考えていましたが、静岡などの地方の方が、良い中小企業と繋がれるかもしれないと思い、リージョナルキャリア静岡を選びました。

転職活動は初めてでしたが、担当コンサルタントの内田さんは、私の話を親身に聞いてくださいました。どのように会社を選ぶべきか、面接に向けての準備、退職を申し出る際の注意点など、わからないことは何でも丁寧に教えてくださいました。

私が一番心配していたのは、自分で希望したこととはいえ、大手から中小企業に転職するということ。自分が会社に馴染めるか、会社の社風や社長はどんな方かも気になりました。その点でも、内田さんは客観的にアドバイスをくださり、不安を払拭してくれました。

今の会社に決めたポイントは?

リージョナルキャリア静岡は、取引先企業向けのメルマガに転職希望者情報を掲載しているのですが、そこに私の情報を載せて潜在的な非公開求人を探してみませんかとご提案を頂いたので、ぜひにとお願いしたんです。するとすぐに、4社からお声がけを頂きました。

こんな風に声をかけてもらえることはなかなかないので、本当にありがたかったのですが、在職中だったので、すべての会社の面接を受けることは難しく、その中で面白そうだと思った一社の書類選考をお願いしました。それが今の会社です。

そして提出したその日の内に、「ぜひ直接お会いしたい」との回答をもらいました。フットワークが軽いことに驚き、「ぜひ面接に来てほしい」という旨の、丁寧な長文メールをもらったことには感激しました。

後日面接に行ったのですが、それも印象的でした。今の上司にあたる総務部長と、取締役の二人との面接だったのですが、通常の面接で聞かれる会社の志望動機や、今までどんな仕事をしてきたかという話は一切聞かれなくて。

しかも45分の面接と言われていたのですが、話が盛り上がってしまい結局2時間いろいろな話をしました。緊張はしましたが、とても楽しい時間でした。そして終了後すぐに合格の連絡が。こんな上司だったら楽しく仕事ができ、豊かに生活できそうだなと思い入社を決めました。

仕事する環境も、生活環境も改善。マイナス面は思いつかない。

転職していかがですか?

社内の雰囲気はすごく良くて、イメージ通りでした。ギャップはなかったです。社員は150〜160人ほどですが、毎年3〜5人、大卒と高卒の新卒を採用していることもあり、若い社員が多いです。とてもフランクな雰囲気で中途入社の方も馴染みやすい環境です。残業はほとんどなく毎日定時で上がれる、非常にホワイトな企業です。

仮設トイレは、これまでの自分の生活の中では触れる機会が少なかったもの。世の中にはこういう会社もあるんだな、と初めて知りました。身の回りにないものも、新鮮で面白いなと思いました。しかも国内シェアナンバーワンで経営状況も良好。ニッチトップの素晴らしい中小企業だと思います。

転職して良かったと思うことは?

前職で組合の組織にいたときの経験が活かせていると感じます。会社の就業規則を作ったり、給料体系を見直したりする仕事は、まさにその時やっていたこと。労働基準法もみっちり学びましたし、法律対応の経験などもあるので、即戦力になれているのかなと思います。

それから会社の雰囲気が非常に良いです。社長も部長などの役職のある方でも、呼ぶときは「さん付け」なので親しみやすいです。マネージャー職でも、プレイングマネージャーというようなスタンスなので、主体的に動くし、現場への理解も高い。だから若い人も伸び伸びと仕事をしていますよ。

会社の業績が良いので社員の方々はみんな優しく、精神的な余裕があるなと感じます。業界一番手で、仮設トイレといえばうちの会社、というほど社名が知れています。強引な営業活動を行わずに、お客様からご依頼を頂くことができています。本当に恵まれた環境だと感じます。

困っていることや課題はありますか?

転職してマイナスになったことは思いつかないですね。しいて言えば、社内に人事系の知識を持っている人が少なく、自分の意見がダイレクトに反映されてしまうので、しっかりと責任をもって仕事にあたる必要があると感じます。ですから、さらに知識習得を重ねる事が重要だと痛感しています。

また、妻の出身は岐阜なので、縁もゆかりもない場所へ引っ越したのは心配でした。しかし浜松は地元に戻ったような雰囲気でいいと言ってくれています。以前は、長期連休の時は、妻の実家まで一晩中車を走らせて帰省していましたが、今では2時間で着くので、それも良かったなと思います。

生活面の変化はありましたか?

浜松は海も山も川もあるので、子どもに自然体験をさせてあげられるのがいいですね。埼玉には海がなかったのですが、今年は見せてあげることができました。家の横に田んぼがあり、「お米ってこうやってできるんだよ」と教えることもできました。

6歳と3歳の子どもがいて、上の子が自転車に乗り始めたばかりなのですが、放っておいても危なくない。都会は人が多く、すぐ迷子になってしまうから子どもを捕まえておくのに必死ですが、田舎なら親も安心だし、子どもも伸び伸びとしています。笑顔が増えました。

それから残業がなくなり、家族の時間が増えました。前職では非常に残業が多く、悲しいことに上の子が小さい時に子育てした記憶がありません。妻に任せっきりだったのも申し訳なかったです。

また私の実家が近く、車で30分ほどの場所なので、両親に子育てのサポートをしてもらったり、泊まりに行ったりしています。埼玉では近所付き合いもありませんでしたが、浜松では近所の方が子どもに声をかけてくださるので、温かいなと感じています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

地方の会社に就職すると、都会に比べて給料が下がるかもしれません。でも給料では得られないものがあると思います。

今の世の中は70歳くらいまで働くことが想定されます。その間、何十年も仕事をし続けることは、マラソンみたいなもの。最後まで走り続けられることが大切です。いくら給料が高い会社でも、会社に来られなくなってしまっては意味がない。お金よりも、働き続けたい環境を重視すべきだと思います。

地方にも、大手企業にも負けない素晴らしい中小企業がありました。長く働くためには、働きやすさが大切。私はこの会社に入って、いい仲間に出会えたなと思います。何か大変なことがあっても、残業が多くなったとしても、気の合う仲間と一緒なら乗り越えていけると思うんです。

「働き続けられる会社」と「働き続けたい会社」は全然違う。無理してでも続けるのか、無理なく継続していけるか。無理なく続けられる会社であれば、未来が見えます。

そして、地方には温かみがあるから、人生も良い方向にいくと思うんです。大切な家族のために、子どもの笑顔のためにも、地方の「働き続けたい会社」を選ぶのがおすすめです。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
内田 康太

廣瀬さんが転職活動を始められた当時、遠方にお住まいということもあり、お電話での面談でしたが、真にバイタリティー溢れる方というのが私の第一印象でした。

大手メーカーに勤務しつつも、「型にはまった仕事ではなく、前例の無い困難な仕事を、自分で考え、議論し前に進めて行くことに面白さを感じる」という素晴らしい仕事観をお持ちでした。

浜松は大手企業も数多くある中で、企業規模ではなく自分の転職軸を大事にして転職活動を進められた廣瀬さん。良い転職活動のご支援ができたことはコンサルタントとしても非常に嬉しく思います。今後のご活躍を祈念いたします。

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