転職成功者インタビュー

特種東海製紙株式会社
石田大地さん(仮名・工務) 28歳

本当に住みたい場所はどこ?想像していなかった他業種へのIターン提案で、求めていた静岡ライフを実現。

自然が溢れる、三重県生まれの石田さん。鳥取の大学に進学して環境や生態学について学び、前職では都内にある水処理プラントメーカーに勤めていた。

都心を避けて千葉県に住んでいたものの、通勤は満員電車で1時間。仕事内容よりも通勤にストレスを感じ、それが仕事のモチベーションを下げる原因になっていた。

そんななか、新型コロナウイルスが流行し、ゆっくり過ごせる一軒家が欲しいと思い立つ。しかし当時住んでいた千葉県では住宅価格が想像以上に高かった。

そこで、「そもそも自分はどんな場所に住みたいと思っていたのだろうか?」と自分に問いかけ、本当に暮らしたいと思っていた静岡へのIターンを決意する。そんな石田さんの転職活動について、詳しく伺った。

※本記事の内容は、2022年10月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで90日間

転職前

業種
水処理プラントメーカー
職種
プラント計画設計、設計営業
業務内容
官公庁向けの汚泥再生処理センターの提案および計画設計

転職後

業種
東証プライム上場 製紙メーカー
職種
工務
業務内容
設備の保全、メンテナンスなど

思いもよらなかった異業種への転職提案に驚きと感謝。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

私の転職先である「特種東海製紙」は、紙をつくる工場、製紙工場を経営している会社です。5ヶ月ほど前に入社したのですが、出勤先は関連会社である「新東海製紙」という会社で、こちらに出向する前提で採用されました。

一口に紙と言っても様々ありますが、「新東海製紙」でつくっているのは段ボール原紙と呼ばれる、段ボールの素となる材料です。

原料は古紙や、パルプなど。工場内には紙を製造するための大規模な機械が数多くあり、それらを修理する専属部隊に私は配属されました。

私の担当は紙をつくる機械以外の機械を修理・改善すること。例えば蒸気を発生させるボイラーや発電のためのタービンのほか、紙をつくるときに発生した排水をきれいにして河川へ放流する排水処理設備、紙を作る際に使用する薬品の製造設備といった機械修理を担当しています。

入社前のご経歴を教えてください。

三重県出身で鳥取県の大学に進学しました。環境について興味を持っていたので生態学を専攻し、地球環境や生態系保全方法等の生物系の調査をしていました。

卒業後は、研究職は向いていないと思ったので、就職しようと思ったのですが、生物関係でお金になる仕事というのがなかなか見つからず。かろうじて環境に関連し、環境汚染防止施設を作る仕事ということで、東京にある水処理プラントメーカーに入社しました。

下水道がつながっていない地域や浄化槽を使っている地域のために、官公庁向けに汚泥再生処理センター(水処理プラント)を提案する設計営業の仕事でした。

私が担当していたのは入札前の資料作成。汚泥処理方法(処理フロー)の選定や施設の設計をし、建物のレイアウトや部屋数、施設内に入れる機械などを検討し、計画書を作り、官公庁に提出していました。

Iターンしたきっかけは?

学生の頃に県をまたいで自転車旅行をしたことがあったのですが、その時に静岡の気候の良さや自然の豊かさといった土地柄に惚れ込み、いつか住みたいと思っていました。母親の実家が静岡市清水区にあったので、幼少の頃から訪れる機会が多かったということもあるかもしれません。

直接のきっかけとなったのは、家族が増えたこと。結婚して子どもが産まれ、数年ほど千葉県に住んでいたのですが、漠然といつかは家が欲しいなと思っていました。そして新型コロナウイルスの流行をきっかけに、籠れる広い一軒家が欲しいと思い、千葉県で探し始めました。

ところが、想像以上に住宅価格が高く、ためらってしまいました。その時に、「そもそもこの場所に永住するつもりだったのか」と自分に問い直したんです。そしてもともと自分は、田舎に住みたいと考えていたことを思い出しました。

出身地である三重県も候補に上がったのですが、どうせなら、より住みよさそうな静岡県に住んでみようと決断。妻は“可もなく不可もなく”という反応でしたが、今の仕事より待遇面が良くなるか、あるいは横ばいであればいいよと言ってくれました。

転職活動はどのように進めましたか?

まず有名な転職サイトにいくつか登録しました。自分が働いていた業界以外のことは詳しくないので、前職と同じような業界で、排水処理の技術関係の仕事があればいいなと思っていました。

しかし実際は地方に同じような業種は全然無く、あったとしても、都心の拠点から全国を飛び回るスタイルの会社ばかりでした。

そんな時、「リージョナルキャリア静岡(株式会社リンク・アンビション)」のネット広告が流れてきました。東海地区の求人特集で、静岡県内の求人に強い会社と書かれていたので、いいなと思いました。

また、私の想定していた業種は数に限りがあると考えていたので、自分で探すのは大変だろうと考え、紹介してもらう方がスムーズかなと思いました。こんなに便利なサービスがあることは知りませんでした。
そして担当コンサルタントの池戸さんとやりとりし、求人を紹介してもらうことに。池戸さんは、かなり私の経歴を考慮して求人を紹介してくれている印象を受けました。

特種東海製紙についても、製紙業界で私の経歴が生きるなんて思ってもみませんでしたし、自分では絶対に見つけられなかったと思うので、本当にありがたかったです。

今の会社に決めたポイントは?

勤務地が希望していた静岡県内で、転勤が無く、福利厚生や給与面もさほど前と変わらなかったこと。また上場会社ならではの安心感。そのあたりの条件が決め手になりました。

仕事は割と忙しいですが、全国を飛び回るような仕事ではなく、同じ作業をコツコツとやっていく仕事なので、それも自分の性に合っていると思いました。

会社の雰囲気はとても良く、一緒に働いている方は非常に真面目です。ベテランが多く、ずっとこの会社でキャリアを築いてきた人が多いので、社内設備についての知識量が非常に豊か。細かいところまでストイックに突き詰めて仕事してきた、というのがよくわかります。

例えば機械が壊れた時、機械修理部隊が原因を追求するのですが、先輩社員が「ここに問題があるんじゃないか」と言うと、大体合っている。本当にすごいなと思います。

先輩は非常に頼れるので、いつか抜けてしまう時がきたら・・・と、焦るほどです。わからないことを質問すると嫌な顔一つせず教えてくれる優しい先輩ばかりです。

静岡に引っ越し、都会で感じていたストレスがなくなった。

転職していかがですか?

非常に満足しています。現在は工場の現場に立つ仕事が多く、資材を運ぶこともあり、体力を使います。もともと体力には自信がありましたが、以前は事務所勤務だったため、座り仕事が中心でした。今は体を動かすことの気持ち良さを感じています。

それから、前職の知識も役に立っています。特に水処理の仕組みを理解していたのは良かったですね。水処理の機械というのはどこも同じようなもので、大まかな処理フローや採用される機械が同じなので、前職の知識があったからスムーズに進められている仕事も多いです。

今思うと、前職の社員たちは「人当たり」が強かったかなと感じます。官公庁相手の仕事だったので縛りが多く、社員は会社を背負っているという気持ちが強かったのだと思います。

今は社内相手の仕事なので、その点は穏やか。部署間での“いがみ合い”とも無縁で、現場作業員との関係も良好です。

また、業務ノルマなどの制約ではなく、働いている人たちの真剣さで事故のない安定した操業が保たれていると感じます。そういう点では以前の会社よりも、今の会社の方がストイックだなと思いますね。

転職して良かったと思うことは?

通勤時間が大幅に短縮できたことです。以前は千葉から都内の勤務先まで電車を乗り継いで、1時間ほどかかっていました。通勤時間の長さが影響して、仕事に対するモチベーションも下がっていました。

今は歩いて約20分、自転車なら10分かからず通勤できるので、拘束時間が格段に短くなってストレスフリーです。もしかしたら、それが一番求めていたものだったのかもしれません。

人が多い場所は性に合っていなかったですね。混雑した環境にいる時間が長かったのが、精神的にも負担になっていました。静岡に来て、都会で感じていたストレスがなくなったと思います。

残業状況は、以前よりはるかに良くなりました。前職では官公庁への入札タイミングの1〜2カ月ほどは、ずっと書類作成をするという大変な時期がありました。

入札というのは書類の数が膨大で、作成にかなり時間がかかります。定時で帰宅するなんてありえないという日々で、終電まで働いていたこともザラでした。寝る時間も減っていましたね。

現職では残業することもありますが、今はまだ大きなプロジェクトを持っているわけではないので、あっても1時間程度。1日に十何時間も仕事をしている人はいません。作業がうまく分散されているのだと思います。とてもありがたいことだと思います。

困っていることや課題はありますか?

前職では、どちらかといえば建築の知識が必要で、建物はどうなっているか、強度はどうかということを気にしていました。そのため施設に納入する機器の細かな部品名や構造、部品の材質など、機器の詳細なデータについては理解していなくても、機器の能力や特徴がわかっていれば業務に差し支えはありませんでした。

しかし今は機械の能力や特徴に加え、詳細なデータまで熟知していないといけません。機械屋的な要素が強く、もっと踏み込んで学び、考察していく必要があると感じています。

また、入社してみたら、水処理とは異業種の発電設備に関する知識も必要でした。自分の専攻は生物系だったので、工業系の業務をこなすことで、知識の幅が広げられて良かったと思います。

生活面の変化はありましたか?

静岡は気候が良くて住みやすいですね。千葉は人口が密集しているからなのか、変な暑苦しさがありました。静岡は町並みが開放的で空気が滞っておらず、背丈の高い建物が少ないので空も広いと感じます。圧迫感がなく、都会よりも四季が強く感じられるところもいいなと思っています。

休日は外に出かけることも多くなりました。私の自宅周辺には身近な自然がたくさんあるのがいいですよ。木々が生い茂っていて、虫がいて魚がいて、子どもにも良い刺激になっていると思います。

また、私はもともとロードバイクが趣味なのですが、近くの茶畑の間を走るのがルーティンコースになっています。子どもが大きくなり、もっと時間が持てるようになったら、さらに遠出をして山間部などにも行きたいなと思っています。楽しみは尽きませんね。

念願だったマイホームですが、実はもうすぐ完成します!転職したばかりでローンが通るか心配でしたが、動ける時に動いておこうと思っていたら、あれよあれよという間に建つことが決まりました。できれば2〜3年後に建てられたらいいなと思っていたんですが、1年経たずに目標を達成できました。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

どこに住んでいても、会社での人付き合いはもとより、住む地域、通勤手段、近隣の住民との関係など、人生には悩みは尽きないものと感じます。だから自分が一番求めているものを優先して、住む場所を考えるのが良いと思います。

辛いことや問題は、ある程度どこにでもあります。だから気楽に行きたいところに行ってみて、ダメだったらそこでまた考えればいい。いろいろなことを気にしすぎず、好きなものを追いかけてみるのも良いものですよ!

それから、静岡へのIターンを悩んでいる方に私が言えることがあるとすれば、「不安を抱いているなら、ぜひ静岡で炊いたご飯を食べてみてください」、ということ。静岡は水が良いので、お米の味が全然違います。ぜひ静岡のご飯を食べて、美味しい水を飲んでみてください。きっと不安はなくなりますよ!(笑)

担当コンサルタントから

コンサルタント 
池戸 岳

石田さんは「どこで暮らすか」をとても大事にされていて、そのお気持ちを初回面談でじっくり伺いました。ぜひご支援したいと思った一方で、静岡県では経験をそのまま活かせる求人は少ないのでは、と懸念を持ったことを覚えています。

転職先となった特種東海製紙社は、もともとは機械系技術者を想定して募集されていましたが、同社の工場に排水処理設備があることを把握していたので、その設備に関する知見を以て企業へ提案を行い、無事に選考を進めることができました。

同社の採用担当者とは頻繁に連絡を取るのですが、石田さんのご活躍の様子はよく話題にあがり、私としても非常に嬉しく感じています。また、静岡での生活にも満足されているようで、安心しております。

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