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挑戦を重ねて柔軟に変化する。静岡のために進化を続ける総合街づくり企業。

ヨシコン株式会社
代表取締役社長 吉田 尚洋

更新日:2024年5月29日

藤枝東高校卒業後、日本大学に進学。専門学校とのダブルスクールで、在学中に簿記や宅建をはじめとした数々の資格を取得。大学卒業後は専門学校にて管理会計を学び、卒業後の1999年2月にヨシコン株式会社へ入社。子会社での事業を数年間担当し、本社に帰任。不動産での市場開拓を行う部署を立ち上げ企業誘致に尽力した。2006年、不動産開発本部市場開発部長に就任。当時東京中心で運用されていた不動産の証券化をいち早く取り入れ事業成長に貢献。取締役、代表取締役副社長を経て、2019年代表取締役社長に就任。専門知識・資金力・企画力を併せ持つ総合デベロッパーならではの街づくりをリードし、地域発展につながる新しい取り組みに次々と挑戦している。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。

コンクリート製品の製造販売から始まった総合デベロッパー。

ヨシコン株式会社は、新築分譲マンション販売や住宅開発、企業誘致、設計監理・建築から運営管理まで、地域に根ざした不動産サービスを提供する静岡の総合デベロッパーです。

当社は1949年に創業し、当初は道路や護岸向けブロックといった土木中心のコンクリート二次製品の製造販売を行っていました。不動産事業に乗り出したのは1990年台、当時はコンクリート製品の受注を拡大するべく不動産開発が重大なミッションでした。

当時社長だった父は、土地造成で必要となるコンクリート製品を販売するべく企業に土地の紹介をしていました。土地の売買には宅地建物取引士の免許が不可欠となり、当社が取りまとめた案件でも取引は不動産会社が行います。

コンクリート製品で得る利益よりも仲介手数料のほうが大きいことに疑問を感じた父は、自社で土地取引ができるようにしました。そして、これがその後の分譲マンション販売事業へとつながります。

上場で得た資金を新規事業に投資し、事業転換に成功。

1993年11月、当社は株式店頭登録(現:東証スタンダード市場に上場)しました。それによって調達した資金を主軸のコンクリート事業の設備投資ではなく、新規事業である不動産事業へ投資。1996年3月には当社が手がける分譲マンション「エンブルシリーズ」の第一号を完成させました。

当時の私は、まだ大学2年生。これからうちは不動産事業が主力になるかもしれないと自社マンションを紹介するビラ配りのアルバイトをしながら、ふと思ったことを記憶しています。実際この頃から事業転換が大きく進んでいきました。

公共建築事業に後押しされて成長したコンクリート事業は需要の減少とともに縮小しましたが、単体の数字のマイナス分は不動産事業の伸びでカバーし、会社全体の売上はほとんど変わらないまま事業転換を図ることができました。

こうした大きな事業転換は珍しいケースかもしれません。上場後もコンクリート事業を主軸として続けていれば、恐らく当社はなくなっていたかもしれません。改めて経営者の立場で当時の状況を振り返ると、新規事業への投資は思い切った決断だったと思います。

そして新規事業としてスタートした分譲マンションの販売は好調で、不動産事業は順調に成長していきます。多いときには1年に3棟を手がける勢いでしたが、リーマンショックの直後、世界的な金融危機のあおりを受け不動産需要が激減、初めて赤字を計上するなど、一時的に業績が落ち込んだ時期もありました。

不動産他社が次々と倒産していく中、当社は幸いにも苦境を短期間で乗り切れましたが、この出来事を教訓に事業の多角化を決意します。マンション販売だけでは景気の波に大きく左右されてしまうため、宅地造成や企業・商業施設の誘致など事業の幅を広げていきました。現在のヨシコンの姿へと変容を始めたのはこの頃からです。

不動産と金融をつなぎ、事業成長を加速。静岡をより良い街へ。

私は入社以来、様々な新規事業の開発に携わってきました。その中でいち早く研究を始めたのが不動産の流動化・証券化です。これは不動産を小口流動化させるもので、当時法整備されて間もなく東京中心で運用されていた仕組みでした。結果としてはこれが当社の販路の幅を広げることに繋がり、現在の収益不動産開発や企業誘致など事業成長を牽引することになりました。

その集大成として2021年6月には当社がメインスポンサーとして、静岡を核とする産業地域に重点投資を行う「東海道リート投資法人」(REITリート/資家から集めた資金で不動産への投資を行い、その賃貸料収入や売却益を投資家に分配する金融商品)を上場できました。

当社が開発した物件を売却する際に、その受け皿となる投資法人があることで多様な取引が可能となります。土地・建物の売買や賃貸だけでなく、建物を保有するかどうかも選択できます(当社が建設・保有し、その後投資法人に売却など)。ここ数年は物流施設の誘致が非常に好調で、今後はこのスキームで工場誘致にも力を入れていく予定です。

また不動産の流動化では、REITの他にも、クラウドファンディングや不動産STO(Security Token Offering/セキュリティ・トークンを活用した資金調達)を活用する手段を併せ持っており、小規模飲食店などの出店をサポートできます。出店のハードルが下がれば、チャレンジする人は自ずと増えるでしょう。そのような不動産×金融の面からも街の活性化にも踏み込んでいきます。

静岡の街は再開発で徐々に変化していますが、結果としてできあがるのは分譲マンションが中心の街です。それは再開発の仕組みから致し方ない部分もありますが、当社はリートを武器にマンション以外のアセットも積極的に投資できる体制を整えました。再開発は本来点ではなく、線や面で進めることが重要だと考えます。

静岡が必要としているのは、地域の活力を高めて魅力ある街へと変えていく、本当の街づくりです。定住人口を増やす分譲マンションももちろんですが、オフィスや商業施設などの働く場所や集う場所の開発、観光客向け高級ホテル誘致も私たちなら可能となります。全力でこの街の発展に貢献したいと考えています。

経営方針の最上位に掲げる「わが社は常に業界のパイオニアたること」のとおり、業界の常識にとらわれずに突き進みたいですね。そして創業事業を辞めて不動産事業を始めた父のように、私も不動産事業とはまた別の新しいチャレンジへ積極的に取り組みたいと思っています。

静岡でキャリアも収入も諦めたくない方にぜひチャレンジしてほしい。

一口に不動産といっても様々な業態がありますが、当社は土地の仕入れから、企画、建物の設計施工、テナント誘致、管理・メンテナンスをトータルに手がける総合デベロッパーです。さらに不動産価値の向上を図り、投資家へ売却するところまで一貫して行えます。

それを可能にする専門知識・資金力・企画力の3つを備える会社は、静岡では他にないといっても過言ではありません。お客様に提供できるサービスの幅広さは企業としての強みであり、仕事のやりがいにも直結するはずです。

当社は変化を続けることでより強く進化してきました。事業転換前と比べると4分の1以下の従業員で、売上は2倍に成長しています。今後もさらなる成長を目指しますが、新しいチャレンジを続けるにはやはり優秀な人材が不可欠。そのため従業員にとってより魅力的な会社になれるよう、給与や人事評価、働く環境をはじめとした社内制度を改革中です。

また業務上必要な知識は専門学校(学費は会社負担)で学ぶことができ、必要な資格を取得するための支援制度も整備していますので、自らの成長の為にもこの環境をぜひ活かしてほしいと思います。

安定した事業基盤のある会社でキャリアと収入の両方を高めていきたい。変貌を遂げようとする静岡の街を自らの手で創っていきたい。そうした想いが何よりも重要です。将来的には新規事業にチャレンジしていただいても構いません。この街のために真剣になれる方、自身の夢や成長のために本気になれる方にお会いしたいと思っています。

編集後記

コンサルタント
溝口 拓

静岡県を代表するデベロッパーであり、上場企業でもあるヨシコン社。 安定した基盤があるように見えても現状に甘んじることなく、常に先を読みチャレンジを続けていく。経営方針をまさに体現した会社の歴史や吉田社長のお話に引き込まれ、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

今回のインタビューで特に印象的だったのは、『本当の街づくりや活性化』というキーワードです。地域に密着した総合デベロッパーかつ、専門知識・資金力・企画力が揃った同社だからこそできる事業展開や提案の幅に想像が膨らみました。

やりたいことの実現には綺麗事だけでなく自己成長も求められますが、意欲さえあればチャレンジしやすい環境があり、静岡で思い切り働きたいという方に、ぜひ注目いただきたい企業です。

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