静岡鉄道株式会社
大竹和哉さん(仮名・施設運営) 33歳
福祉のキャリアを、大手鉄道会社で活かす日々。1人ではたどり着けない転職がある。
東京の福祉業界で働いていた大竹さんは、32歳のときに、親の介護問題をきっかけに地元静岡へのUターンを真剣に考えるようになった。「子どもをのびのびとした環境で育てたい」という強い想いもあったという。
ところがいざ転職活動を始めてみると、情報が多すぎて、迷うことばかり。「長く働ける会社で働きたい」と思っても、ネット上の情報だけでは会社の中身はわからない。「本当に自分に合う転職先が見つかるのだろうか?」と不安を募らせていた大竹さんに、進むべき道を示してくれたのが、リージョナルキャリア静岡だった。
紹介されたのは、意外にも静岡を代表する鉄道会社。「もちろん社名は知っていましたが、福祉事業に力を入れているとは知りませんでした。今の自分があるのは、紹介してくれたコンサルタントのおかげ。一人で悩まないのが、転職に成功する秘訣ですね」と話す大竹さんに、体験談をうかがった。
※本記事の内容は、2017年7月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 1回
- 活動期間
- エントリーから内定まで90日間
転職前
- 業種
- 高齢者・障がい者の介護派遣事業所の運営
- 職種
- 事業運営全般
- 業務内容
- 介護派遣事業所の運営や事業申請、行政交渉、相談業務、人事労務、国保連請求を担当。
転職後
- 業種
- 福祉・介護施設の運営
- 職種
- 事業運営全般
- 業務内容
- 介護施設の運営管理全般。その他 県外への視察など幅広い業務に携わっています。
「まずは会いましょう」と迎えてくれたコンサルタントとの出会いで、やっと気持ちを吐き出すことができた。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
「静岡鉄道グループ」は鉄道事業だけでなく、不動産などさまざまな事業を展開しているのですが、私はその中のシニア事業部で働いています。
役職名は、北安東高齢者福祉複合施設の「運営統括サブマネージャー」で、施設では上から3番目にあたる役職です。1階は在宅介護に関するサービス、2階から4階までは有料老人ホームになっていて、施設全体で100名ほど在籍するスタッフのマネジメントが、私の主な業務です。
その他には、予算管理、新たな取り組みの企画、入居促進のための営業活動なども担当しており、「しずてつの介護」をPRするために、地域のさまざまな施設をまわることもあります。
入社前のご経歴を教えてください。
東京の大学で美術を学んだ後、メガネチェーン店などを展開しているメーカーに就職。メガネフレームのデザインや、広告のデザインに2年ほど従事しました。
そこから福祉関連のNPO法人に転職。在宅介護の現場で働きながら、新規施設の立ち上げや、ホームページなどの作成、行政との交渉、人事・労務など、幅広い仕事に8年間携わっていました。勤務地はずっと東京でした。
転職のきっかけは?
実家の父の体調が悪くなり、介護が必要になってきたことで、32歳の頃から静岡へのUターンを真剣に考え始めるようになりました。それまでは母が1人で父の世話をしていましたが、母にかかる負担が徐々に大きくなってきていたのです。
一方で、そうした事情に加えて、「自分が生まれ育った町で子育てをしたい」という、私自身の想いもありました。子どもは今年で6歳と4歳。Uターンするなら、「上の子が小学校に入学する前に」と考えたことも、今回の転職を後押しした理由の一つでした。
転職活動はどのように進めましたか?
転職を決意したものの、当初は仕事が忙しく、なかなか活動ができませんでした。仕事をしながらの転職活動は難しいと思い、プロジェクトがひと段落したところで思い切って会社を辞め、その後、本格的に情報収集を始めました。
今までのキャリアが活かせる福祉関連で、長く働き続けられる会社に入りたいと考えていましたが、転職サイトを見ても、情報が多すぎて迷ってばかり。また、仕事の中身や給与ばかりが目につき、会社の風土や職場環境などについてはよく分かりませんでした。
「これは自分がイメージしていた転職活動とは違うな・・・」と思っていたときに、「静岡転職」というキーワードで見つけたのが、リージョナルキャリア静岡でした。「地元に強い」という点に目がとまり、すぐに電話をしてみると、「まずは会って話をしましょう」と言っていただけました。その対応に、とても好感を持ち、信頼できるなと感じました。
実は他のエージェントにも登録していたのですが、そちらでは電話面談のみでした。リージョナルキャリア静岡のコンサルタントは、実際に会って、「今までの自分のキャリア」から「将来どうなりたいか」まで、とても幅広く私の話を聞いてくれました。それまで1人で抱え込んでいたさまざまな思いや不安を、やっと吐き出すことができたという感覚がありましたね。
その数日後、2回目の面談で4社の求人を紹介してもらい、その中に今の会社がありました。静岡の人間なら誰でも知っている会社ですから驚きましたね。
今の会社に決めたポイントは?
まずはネームバリューです。「しずてつ」といえば、地元を代表する優良企業というイメージがありましたので。加えて、受付や面接官の態度がとても真摯で、面接も好印象だったこともポイントでした。
また、私は福祉業界でのキャリアを活かしたいと思っていましたが、実際の現場の仕事をどっぷりやってきた人間ではなかったので、マネジメントの仕事を探していました。それまで静岡鉄道が高齢者福祉事業を運営していることは知りませんでしたが、話を聞くと、まさに自分の希望通りの環境だと感じました。
会社側もシニア事業部をもっと成長させたいと考えており、そのためには運営に新しい風を取り入れることができる人材が欲しかったのだとか。そこへちょうど私が応募してきたので、お互いにとってタイミングが良かったみたいです。
介護、子育て、本当にやりたい仕事。自分らしさを実現できたUターン。
転職していかがですか?
組織の規模が今まで味わったことがないほど大きく、それでいてグループ内の連携がとれているので、自分が今まで知らなかった世界を知る面白さがあります。
別部署からの異動もあり、職場にさまざまなキャリアを持つ人がいますので、それぞれが持つ違う角度からの視点を学ぶことができます。
また福利厚生もしっかりしているので、この業界にしては珍しく、休暇もしっかり取得できています。
転職して良かったと思うことは?
安心感が生まれたことです。親に何かあっても、すぐにかけつけられますから。妻も協力的に父の介護をサポートしてくれているので、とても助かっています。
近所の皆さんも、私たちが帰ってきたことをとても喜んでくれました。私が幼い頃にお世話になった「おばちゃん」が今では「おばあちゃん」になっていますが(笑)、そういう人たちが今度は自分の子どもを見守ってくれると思うと、とても幸せに感じます。
また仕事の面でも、自分が持っていなかった視点で、「福祉」と「介護」を再認識できるようになりました。会社は大きいのですが、シニア事業部はこれから伸ばしていく部門なので、可能性とやりがいを感じています。
生活面の変化はありましたか?
子どもがのびのびできていると感じます。東京では「近所の子と遊ぶ」ということがありませんでしたが、今は「近所の子といっしょに遅くまで遊んでいる」なんて聞くと、地元に帰ってきて良かったなと思います。
実家で暮らしているので、近所も知っている人ばかり。子どもたちのことも気にかけてくれるので、安心して子育てができます。
通勤もとても楽になりました。東京では満員電車で通勤していましたから、会社に着く頃にはすでに疲れていました(苦笑)。今はバスで30分ほどかけて通勤していますが、全然楽ですね。
休みも計画的に取れるようになりました。前の職場では、休日も呼び出されることがたびたびありましたが、今の会社はそういうことがありません。ボーイスカウトをしている子どもと一緒に、山や海へよく出かけています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
一人で悩まないほうがいいと思います。転職活動中はどうしても不安が募るものです。私も最初は何をすればいいのかも分からず、本当に転職先が見つかるのか?という不安も大きく、毎日一人で悶々としていました。ですから、リージョナルキャリア静岡と出会い、相談できる相手ができたことで、とても気が楽になったことを覚えています。
今はネットで目にする情報量が多すぎるので迷ってしまいますが、私はリージョナルキャリア静岡のコンサルタントに話を聞いてもらったことで、自分自身の「本当にやりたいことは何なのか」「大事にしたいことは何なのか」という気持ちを整理できたような気がします。
自分のキャリアを客観的に評価・判断してくれる人なんて、身近にはなかなかいませんし、私の人間性まで見てくれたうえで会社を紹介してくれるので、安心して面接を受けることができました。
しかも面接の前には、「こういう新聞記事がありましたよ。参考に読んでおいてください」と記事を送ってくれたり、私が不安に思っていると、「絶対大丈夫ですから!」と励ましてくれたり、とても親身になってくれました。
内定が決まったときは、一緒になって喜んでくれたり、とにかく熱意を感じましたね。コンサルタントには心から感謝しています。