転職成功者インタビュー

エコン株式会社
辻村浩さん(仮名・営業) 44歳

44歳で初めての土地、初めての業界へ!「自分の将来が楽しみになりました」。

辻村浩さん(仮名)は、大阪から静岡に転職したリージョナルヒーローだ。勤めていたIT企業の先行きに不安を感じ、転職を決意したのは44歳のとき。「やりたい仕事ができるなら、場所は問わないつもりだった」という辻村さんが新天地として選んだのは、一度も行ったことのない静岡。しかも社員20名の小さなメーカーだった。だが、辻村さんには1つの確信があった。「モノづくりができる会社で働きたい。しかもこの会社は、ニッチな業界で確かな強みを持っている。こんな会社なら、楽しく働けるはず」。入社前の予想通り、全員で一丸となってモノづくりに取り組む仕事はやりがいがある。一方、良い意味で予想外だったのは、「単身赴任したことで逆に家族との会話が増えたこと」だとか。市場や会社は小さくなったが、将来に対する夢や目標は今、大きく広がりつつある。(※本記事の内容は、2015年3月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
2回
活動期間
エントリーから内定まで30日間

転職前

業種
システムインテグレータ
職種
法人営業
業務内容
基幹系システムの提案営業

転職後

業種
動力装置
職種
法人営業
業務内容
動力装置の提案営業

社員はわずか20人。それでもニッチな市場ではトップシェアを誇る。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

モーターを動かすソフトスターター(始動機)の設計・製造・販売をメインとした、電気設備メーカーで営業をしています。特に「サイドスラスター」という、船を横方向に動かすための動力装置の分野では50%以上のシェアを誇っています。しかし、社員は20名ほどで営業専任は私1人だけです。重工業メーカーや造船会社などを相手に営業して回り、忙しい日々を送っています。

入社前のご経歴を教えてください。

最初に就職したのは、造船会社の子会社であるシステムインテグレーター企業でした。SEとして造船会社向けのプログラム作りや導入、船員に対する説明などを行ってきました。その後、37歳で電力会社系のシステムインテグレーター企業に営業として転職し、会計ソフトなどの事務系商品を法人向けに販売していました。勤務地はずっと大阪です。

転職のきっかけは?

前回の転職は親会社が変わったことがきっかけで、売上が良くなかった私の所属部署が無くなるかもしれないという不安から電力系のIT企業に移ったという経緯があります。しかし、東日本大震災での原発事故発生以降は仕事が激減したことから、「決められた枠の中で仕事をやり続けていて良いのか」「他に可能性がないか」と考えるようになりました。例えば目に見えるモノを作って、納入すると喜んでもらえますよね。でもソフトウェアは目に見えません。だから、もっと喜んでもらえるモノを扱う仕事に就きたいと考えるようになったのです。

転職活動はどのように進めましたか?

ある転職サイトで今の会社の求人に興味を持ちエントリーしたところ、「リンク・アンビション」の担当の方から連絡をいただきました。当時は大阪に住んでおり、キャリアコンサルタントの方との電話面談後、静岡で面接を受けることになりました。会社を辞めずに活動していたため、面接はなるべく土曜日でのセッティングをお願いしていました。

静岡には何かご縁があったのですか?

いいえ、行ったこともありませんし、富士山があることくらいしか知りませんでした(笑)。やりたい仕事ができ、生活できるだけの給料をもらえるなら、勤務地にはこだわっていませんでした。妻は宮城出身なので、大阪でも静岡でもそんなに変わらないと思っていたのかもしれません。家族で静岡へ下見に行きましたが、「なんとかなるだろう」という感じでしたね。

今の会社に決めたポイントは?

自社で製品を作っている点と、ニッチな市場なので競争相手が少ないところに惹かれました。今まで同様の企業をいくつか見たことがありますが、独自の強みを持っており、大手の顧客がついているところが多く、魅力を感じていました。また、造船業界が最近好調であること、以前造船業界に携わっていたこともプラス材料だったと思います。あとは、何と言っても規模が小さいことですね。この規模だからこそ、営業が頑張ればもっと大きく伸びる可能性があると思いました。

初めての業界で営業をする不安は?

実は、面接で現場の課長の方からかなり厳しいことを言われており、初めて聞く専門用語もたくさんありました。でも、それで怯むことは無かったですね。新たに覚えるべきことも、厳しいこともたくさんあるのだと、現実が分かったように思います。それが私には新鮮で、電気関係には興味があったので自分が理解できるようになれば楽しいだろうな、と。それで0から頑張ってみようと思いました。

ご家族の反応は?

子供は小学2年生でしたが、妻も子供も特に何も言いませんでした。「転職するから」と伝えると、「やりたいようにやれば」と(笑)。以前から自分のやりたいことや、いつか転職するかもしれないということ、地方にも仕事はあるということなど、自分の人生設計について家族に話していたので、それが良かったのかもしれませんね。

家族を説得するポイントは、計画性と熱意。本気なら、思いは伝わる。

転職していかがでしたか?

入社前の想像通り、非常に忙しく過ごしています。以前は社長が営業をしていたのですが、その役割を今は私が1人で担当しています。ただ、こちらから売り込まなくても、顧客からどんどん注文や見積りの依頼が来ることには本当に驚いています。現在はその対応に追われていて、新規開拓営業は時々行う程度という状況の中、価格競争もあまりなく、自社製品に強みがある企業の実力を実感しています。それに、スピード感も全然違いますね。見積りを作る際、前職では判子が10個は必要でしたが、今は社長の判子1つ、30分で稟議が通ります(笑)。また、周囲にはプロ意識を持った方が多いです。大きな会社だと、どうしても「誰かがやってくれる」という考えが出てきますが、今の会社では、全員が自分の仕事だけでなく、その後の影響範囲まで考えて必死に取り組んでいます。任される仕事も幅広く、自分の意見も言えるのでストレスはありません。以前ではあり得ないことでしたが、今の会社では価格についても私の考えを反映させることができるのでとてもやりがいがありますね。

生活面での変化はいかがですか?

いずれは家族も静岡に呼ぼうと思っていますが、現在は単身赴任をしています。自分のペースで生活できるので快適ですし、家事も自分でこなしていますよ。外食はほとんどせず、自炊しています。土日は部屋の掃除をしたり、趣味のゴルフの練習に行ったりして過ごすことが多いですね。自分の時間が増えたので、これからは電気や英語の勉強もしたいと思っています。

ご家族と離れて寂しくはないですか?

月に一度は大阪に帰省して、子供とは毎週電話で話しています。「今日はこんなことがあった」と子供の話を聞いたり、私から「こんなことをやりなさい」と子供に言ったり。これは意外でしたが、距離が離れたことで親子の会話が増えたと感じています。妻とも毎日メールをしていますしね。

困っていることや課題はありますか?

特に無いですね。強いて挙げるとすれば、大阪と静岡の二重生活なので、生活費のやりくりが多少大変ということくらいでしょうか。

転職して良かったと思うことは?

仲間と一緒に「自分たちでモノを作る」という、今までできなかったことに携われるのが何より良かったと思います。同僚からの「入社してくれてよかった」「辻村さんが休むと困る」という言葉も嬉しいですね。また、周囲に尊敬できる方がたくさんいるので、「自分も勉強しないと」という危機感や緊張感があります。電気関係の資格を取得するという新しい目標もできました。自分の頑張り次第で会社の業績が伸びていく実感もあり、今は将来が本当に楽しみです。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

「将来自分はこうなりたい」というビジョンが大事だと思います。「その将来像へ到達できるかどうか」で判断すれば、会社の名前や規模に惑わされずに自分のゴールに近づけるのではないでしょうか。働く場所については、悩む場合もあると思います。私の場合も、京都に住む両親は当初難色を示していましたが、理解を得るため両親に自身の目標を熱く語りました。家族を説得するうえで大事なのは、計画性と熱意です。今回は、私の本気が家族に伝わったことでスムーズに進んだのではないかと思っています。「何年後にはこうなりたい」という計画を、熱意を持って話してみてください。やりたいことがあるなら、何もせずに諦めるのはもったいないと思います。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
伊藤 雅隆

大阪にある大手システムインテグレータで法人営業をされていた辻村さん。静岡市内の営業職求人にエントリーいただき、初めて面談させていただいたのは2014年5月末です。大阪にお住まいだったため、お電話で2時間近くお話を伺ったと記憶しています。在職中の企業では組織が大きく、主体的な営業活動が出来ない事にジレンマを感じていらっしゃるご様子でした。土地勘のない静岡の企業へのご応募でしたので、1次面接までの期間は電話とメールで面接対策を行いました。面接当日は弊社のオフィスにて、最終打合せを行ってから、私も企業へ同行しました。その後は順調に進み、見事内定を獲得。静岡の土地柄、人柄にも好感をお持ちいただき、ご入社を決断されました。社長からの評価も高く、現在、仕事面・生活面共に充実した毎日を過ごされています。

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