株式会社エッチ・ケー・エス
服部健一さん(仮名・Webデザイナー兼通訳) 35歳
リージョナル転職成功のポイントは「郷に入っては郷に従え」
服部さんは韓国で生まれ、小学生のときに日本へ移り住み、その後アメリカで留学生活を送るという、さまざまな文化のなかで生活を送った経験の持ち主である。アメリカから日本に戻った服部さんはWebデザイナーとして経験を積み上げてきたが、不運にも勤務していた会社が倒産。そして転職活動を行うなかで現在の会社と出会い、千葉から静岡へと移住転職を果たした。異なる地域文化、異なる組織文化へ入っていく行為という側面のある移住転職の実際や心構えについて、豊富な異文化対応の経験を持つ服部さんにお話をうかがった。(※本記事の内容は、2014年4月取材時点の情報に基づき構成しています)
- 転職回数
- 2回
- 転職期間
- エントリーから内定まで23日間
転職前
- 業種
- 貿易関連
- 職種
- 営業
- 業務内容
- 営業関連の通訳・ 資料作成
転職後
- 業種
- 自動車部品メーカー
- 職種
- Webデザイナー兼通訳
- 業務内容
- 自社ホームページのwebデザインを担当。書類の翻訳や通訳なども兼務。
Webデザイナーの経験と語学力を活かせる仕事がしたい。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
自動車のアフターパーツやレース用エンジン、小型飛行機用エンジンなどの製造を行っているエッチ・ケー・エスの営業課に所属し、自社ホームページのWebデザインのほか、書類の翻訳や海外から来客があった際の通訳などを担当しています。
入社前のご経歴を教えてください。
韓国生まれで10歳のときに日本へ移り住み、高校と大学はアメリカに留学していました。日本に帰国後、最初は建設会社でホームページの制作を担当し、次に別の会社に転職してホームページ制作の仕事をしていました。ところが、この会社が倒産してしまったため友人の会社を手伝いながら仕事を探し、現在の会社へ転職しました。
転職活動はどのように進めましたか?
私は当時千葉に住んでいたので、面接に行くには片道2時間ほどかかりました。本来は「数回にわけて面接を」ということだったのですが、私が遠方から訪問することを配慮してくれて、一回の訪問で済むようにしてくれたので、スムーズに活動を進めることができました。
今の会社に決めたポイントは?
まず、私は独身なので、千葉から富士宮に移り住むことには何の問題もありませんでした。それから、仕事の内容がWebデザイン中心でこれまでのキャリアが活かせることがポイントの一つになりました。加えて、英語のページもあるほか、海外からの来客への対応もあるので、自分の語学力も活かせると思い入社を決めました。
オフィスから富士山が間近に見える自然豊かな環境。
転職していかがでしたか?
与えられる裁量の幅が大きく、私の担当であるWebデザインをかなり自由に、やりたいようにできることがとても嬉しいです。また、エッチ・ケー・エスはアメリカやヨーロッパ、アジアに子会社があり、海外からの来客がかなりあります。そうした際に語学を使える機会があるのもよい点です。入社前は車のチューニングなどはあまり知りませんでしたが、車は好きだったのでむしろ「面白そうな世界だな」という気持ちを持っていました。実際に入社してみるとイベントをたくさん開催していて、東京オートサロンへ出展した際のお手伝いをしたりするなど、楽しく仕事させてもらっています。
生活面での変化はいかがですか?
会社は富士山のすそ野にあり、自然環境豊かで私はとても気に入っています。オフィスから見る富士山の眺めはとてもきれいですよ。生活費に関していうと家賃は下がりましたが、生活には車が欠かせず、その分の費用がかかるので、千葉に住んでいたときと比べあまり変わりません。あとは、買い物する場所や遊ぶ場所という部分では、やはり都会に比べると限られてしまいますが、私自身はそれほど外で遊ぶタイプではないのであまり問題にはなりません。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
「郷に入っては郷に従え」の精神が大切だと思います。新しい会社、地域に入るということは、従来とは異なる文化のなかに入っていくことを意味します。日本とアメリカ、韓国のように国が違わなくても、日本のなかでも地域が変われば文化も変わってきます。会社組織もそれぞれ独自の文化を持っています。それを否定するのではなく、新しい文化を受け入れ適応することが大切です。