転職成功者インタビュー

富士工業株式会社
館林拓也さん(仮名・商品開発) 32歳

転職マインドを切り替えて前向きな転職に!やりたいことを見つけワークライフバランスも実現。

千葉大学の大学院で医療工学を学んだ後、静岡の大手優良企業に就職した館林さん。仕事自体は面白かったものの、残業続きの毎日。自身が担当する製品のことは、自分以外誰も知らないという環境に負担を感じるようになっていた。睡眠不足の日々が続き、入社して8年が経った頃、ついに心が折れてしまう。そして転職してみようと思い立った。出会った担当コンサルタントは、館林さんが「なぜ転職したいと思ったのか」を分析してくれ、ポジティブなマインドで転職することが大切だと教えてくれたという。そして自分が本当に求めていたことを知ることで、条件を全て備えた本当に自分が満足できる職場にたどり着けたという館林さん。どんな転職活動だったのか、詳しく伺った。(※本記事の内容は、2022年11月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで90日間

転職前

業種
電子部品・電子機器メーカー
職種
電子部品製品設計
業務内容
製品設計

転職後

業種
世界シェアトップクラス製品をもつロッドコンポーネントメーカー
職種
商品開発・生産技術
業務内容
商品開発担当として、設計から製品立ち上げ準備まで

一人ひとり別の仕事を担当するという会社の体制に疲弊。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

私が現在勤めている「富士工業」は、ロッドコンポーネントという釣竿を組み立てる際に必要な部品を開発、設計、製造している会社です。

  具体的には釣竿につけて糸を通す金属部品「ガイド」と、グリップとリールを固定するパーツ「パイプシート」という製品を作っています。弊社のガイドは世界でもシェアトップクラス。釣り人の間では認知度が高く、信頼できるブランドとして評価されています。

所属は開発部の製造課、生産技術係。菊川市にある工場に勤務して半年ほど経ちました。ガイドの生産工程の一つ、プレス金型の設計と生産の自動化を担当しています。新製品を開発する開発グループという部署があり、そこで開発された新製品を量産するため、金型を作るなどの生産工程をつくり上げるのが私の仕事です。

まず3D CADソフトを使って図面を起こし、社内にいる技術者に金型を作ってもらいます。その後、その仕上がり具合とうまく動くかをチェック。量産商品の完成に向け、試行錯誤を重ねているところです。

入社前のご経歴を教えてください。

千葉県出身で、地元千葉大学へ入学し、大学院に進学しました。専攻は工学研究科 人工システム科学というところで、主に医療工学、MRIの画像診断や画像処理のプログラミング、機械内部の電子回路、物を動かすモーター制御理論、機械の外側を設計するためのCADなど、幅広く学びました。

新卒で就職した先は、様々な電子部品や電子機器を製造・販売している静岡県の会社。大学で医療機器も取り扱っていたので、学んできたことを活かせると考えて入社を決めました。

入社後は、PCR検査や血液検査ができる装置にも使われている製品を担当。取引先は医療機器メーカーなどでした。初めは製品の動作確認検査の担当でしたが、その後は品質管理や顧客の問い合わせ担当をしていました。

転職のきっかけは?

ワークライフバランスが崩れてしまったことです。前職では毎日残業するのが当たり前になっていました。常に人手不足だと感じていたのですが、会社は人を増やすという気配がなく、心が折れてしまったという感じです。

私が関わっていた製品は、主に設計担当と、品質管理や顧客対応をする私の二人のみ。同じ製品担当であっても業務は分かれていたので、仕事内容を把握しているのは基本的に自分だけでした。

もし顧客のところで急なトラブルがあっても、担当者が休みであれば戻ってくるまでそのトラブルに対応できないという状況。責任ある仕事を任されて嬉しい方もいると思うのですが、ずっと一人で抱えていなくてはいけなかったので、私にとっては精神的にも負担が大きかったです。

それから「ものづくりをしたい」という自分の想いに気がついた、ということもあります。前職もものづくりの会社ではありましたが、私の仕事内容は品質管理や顧客対応。ものを作るというよりは、チェックしたり、フォローしたりという仕事だったので、ものを作っているという感覚はあまりなかったですね。

転職活動はどのように進めましたか?

転職したことがなかったのでやり方がわからず、とにかくいろんな転職サイトに登録してみました。様々な転職コンサルタントの方が連絡をくれたのですが、その中の1人が「リージョナルキャリア静岡(株式会社リンク・アンビション)」の伊藤さんでした。

転職活動を始めた当初は「とにかく転職したい」という思いしかなく、自分の気持ちも整理できていなかったです。そんな時、伊藤さんは「なぜ転職したいのか」という思いを聞き出してくださり、前職は残業時間が多く、改善の見込みがないところに引っかかっているなど、自分でも言語化できていなかった考えを分析してくださいました。

私が会社を辞めたいと思ったのは後ろ向きの理由でしたが、キャリアアップや給与アップなど、前向きな理由を考えた方が良いということもアドバイスしてくださいました。すごく新鮮な視点だったので、担当していただいて本当に良かったなと思いました。

今の会社に決めたポイントは?

一番ポイントになったのは、ワークライフバランスが実現できる会社だということ。伊藤さんと話し、前職は残業時間が長いことが気になっていた、ということがわかったので、残業時間が月10時間以下の会社にしようと決意していました。それから、ものづくりができる会社であり、袋井市から通える場所にあること。その全ての条件に当てはまった会社が「富士工業」でした。

それと、富士工業はSNSを使っての新製品発表や、フィッシングショーというオンライン上でYouTubeの生放送をしたりと、ユーザーと直接やりとりできる場があるのもいいなと思いました。

感想などがダイレクトに届くので、ものづくりをするのであれば、モチベーションが上がる環境に魅力を感じたんです。前職ではユーザーの方の反応はほとんど見えませんでしたから。反応が見えるとやりがいが違いますね。

生活が整い、趣味のテニスのため毎日筋トレができるように。

転職していかがですか?

事前に聞いていた通り、実際に入社してみたら残業はほとんどなかったです。なぜ残業が少ないのかというと、管理者が部署全体のことを把握していて、残業をしなくて済むように調整してくれているから。仕事が滞っているところがあれば、必要な人員を配置し、仕事のボリュームを調整しています。

前職では一人ひとり異なる仕事を担当し、誰ともシェアしていない状態が当たり前だったので、上司が仕事の状況を把握してくれているということに驚きました。

現在は気持ちがすごく楽になり、転職した満足度はかなり高いです。定時は17時半なので、明るい時間に帰れることもあります。生活が全く変わりました。

転職して良かったと思うことは?

私は大手企業から中小企業への転職だったのですが、今の職場がいいなと思うのは、新しいことに踏み出す際の決定が早いところ。そして社長がリーダーシップをとり、方針が決まったらみんながそれを信じて動く。会社全体に一体感があると思います。

管理職は目標を実現するにはどうしたらいいか考え、部下にこうしてほしい、こういうことを調べてほしいと伝えて、全社一丸となって取り組んでいます。

前職は大手企業ということもあって、承認に時間がかかるので、何をするにも時間がかかっていました。そして手広く商品を扱っていたので、社長の思いもいろんな方向に分散されていたような印象があります。

前職の知識として活かせているところは、3D CADのソフトの操作くらいですね。3D CADのソフトにもいろいろあるのですが、今使っているものは前職で使っていたものと同じで、私は大学の頃から使っていたのでよく知っていました。即戦力になれたので、そこは良かったのかなと思います。

困っていることや課題はありますか?

金型の設計というのは、転職して初めてやった仕事ということもあり、毎日苦戦しています。プレス機で型を抜くのですが、ガイドというのは形がとても複雑。上下の動きだけで型を抜くというのは、非常に難しい作業なんです。

しかも素材はチタンという非常に硬い素材で加工しにくい。どの角度で穴を開けるべきかという感覚がつかみづらく、実際にやってみないとわからないことも多い。金属なので潰れたり、摩耗したりすることもあり、思っていた以上に大変でした。

頭の中では上手くいきそうだと思っても、実際にやるとズレてしまう。そのズレをできる限り調整し、求める形に型抜きできるように、まだまだ修行が必要です。

社員はほとんどが中途採用なので、転職者に理解があり、会社内も居心地が良いですよ。困ったことがあると上司に相談しているのですが、私の話もいつもよく聞いてくれるので、すごく相談しやすく、本当に頼りにさせてもらっています。

生活面の変化はありましたか?

千葉出身である私が袋井に住み続けたいと思った理由は、実は前の会社のテニスサークルに今後も参加したいと思ったから。すごく良い仲間に恵まれたので、退職しても一緒にテニスを続けたいと思っていたんです。

前職では、仕事が終わったら家に帰って寝るだけでしたが、今はテニスのため、自宅で筋トレをする日もありますよ。以前は平日にトレーニングなんて考えられなかったですね。家にいる時間が増えたので、生活にもゆとりが生まれました。

一番嬉しいのは、睡眠時間が増えたこと。健康になり、仕事の集中力もアップしたと思います。前職では残業していると夜食が出たので、夕食はそれを食べるのが当たり前になっていましたが、今では自炊も楽しんでいます。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職をしたことがない人にとって、最初の一歩を踏み出すのは、とてもハードルが高いものですよね。「まだ転職先の希望など、考えがまとまっていないから動けない」という方もいるかもしれません。

ですが、まだ考えがまとまっていなくても、まずはプロの転職コンサルタントに連絡をとってしまうのがおすすめです。どのように動いていいかわからない時は、とりあえず自分は動かなくてもいいんです。転職コンサルタントに相談すればペースメーカーになってくれ、一緒に進めてくれますし、履歴書の書き方や会社選びのアドバイスなど、様々なことを教えてくれます。

一人で悩んでいるより、人に話すことで考えがまとまる、ということもありますよね。指名できるのであれば、特に私の担当コンサルタントだった伊藤さんをお勧めします!出逢えて本当によかったなと感謝していますので。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
伊藤 雅隆

館林さんは新卒で県内の優良メーカーに就職され、設計担当として活躍されていました。私との初回面談時に正直な気持ちを共有いただけたので、必ず転職活動を成功させたいという気持ちが湧いてきました。多くの企業に応募するというよりは、転職理由が解決できる企業に絞って選考を進め、見事に富士工業社から内定を獲得されました。全く異なる業界で心配もありましたが、商品が変わってもモノづくりにおける開発現場での幅広い経験は大いに活かされているようで、同社からの評価も大変高いと伺っております。趣味の時間も確保でき、公私ともに満足されているご様子を聞けて大変うれしく思います。

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