株式会社あいネットサービス
斉藤博之さん(仮名・総務人事) 33歳
業種を絞らず、なりたい自分をイメージ。頼れるキャリアコンサルタントの力を借りて掴んだ、理想の仕事。
斉藤さんは大学卒業後、地元の銀行に就職し、その後大手監査法人へ転職。順調にキャリアアップを叶え、コンサルタントとしての仕事にやりがいを感じていた。しかし、業務は多忙を極め、気づけば平日の残業はもちろん、休日出勤が当たり前という状況に。
ある日、妊娠中の奥さまから、プライベートの時間がないことへの不満を打ち明けられる。仕事は気に入っているが、この職場で生活環境を変えることは難しい。そう思い、転職することを決心。
現在は、従業員1,000名を超える静岡県内の優良企業であるあいネットグループの中核企業に勤務し、企画をメインに、社長にも頼られるポジションに就任。
社員を大切にする会社で、ワーク・ライフ・バランスが整い、プライベートも充実しているという斉藤さんに、転職活動について伺った。
(※本記事の内容は、2021年9月取材時点の情報に基づき構成しています)
- 過去の
転職回数 - 2回
- 活動期間
- エントリーから内定まで150日間
転職前
- 業種
- 大手総合系コンサルティングファーム
- 職種
- コンサルタント職
- 業務内容
- 主に上場企業向けに経営に関するコンサルティングを実施
転職後
- 業種
- 県内No.1を誇る冠婚葬祭(互助会)をメイン事業とした10社で構成される企業グループ
- 職種
- 総務人事職および企画職
- 業務内容
- 採用関連業務、各種プロジェクト(経営層からの指示にもとづき都度対応)、社員向け研修の企画及び開催
妻の「このままでは産めません」という一言で転職を決意。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
あいネットグループの中核企業である「あいネットサービス」は、冠婚葬祭業を主軸としている会社です。静岡県内と一部県外で、結婚式やお葬式のセレモニーを行う施設を運営するほか、介護事業やホテル業、お惣菜屋さんなど、幅広く経営しています。
その中で、私は本社の総務人事部・総務企画課という部署に所属しています。社員の給料管理や人事制度の改善といった人事関連の業務もあるのですが、最近は社長からの特命的な仕事が多く、それが半分以上を占めています。
特命というのは、法律関係の対応などですね。例えば「パワハラ防止法」という法律が施行されたときは、研修をするのか、就業規則をどう変えるかなど、会社としての対応を具体的に考え、実行していきました。常に会社全体を見渡して、どうすれば従業員にとって、より働きやすい環境になるかを考え、企画・実行していくのも私の仕事です。
入社前のご経歴を教えてください。
大学を卒業してすぐの時は、県内の銀行に就職しました。主に法人営業を担当し、クライアントの融資や資金繰りに関する相談にのっていました。
その後、もっと規模の大きな仕事がしてみたいと思い、大手監査法人に転職。上場企業の経営的な問題を改善に導くようアドバイスをする、コンサルタント職に就きました。クライアントは全国的にも有名な大企業ばかりで、担当していたのは年間10~15件ほど。
さまざまな大手企業の経営を内側から見ることができたので、いい経営とはどんなものか、また、業種ごとの陥りやすい問題点、改善策と実際の変化など、経営に関する多くの知識を得られたことは、自分にとって大きな糧となっています。
転職のきっかけは?
家族の声ですね。前職では平日は残業が当たり前で、日にちをまたいで帰宅することもしばしば。土日出勤も多かった。そんな時、妻が一人目の子どもを妊娠しました。そして、ある日「このままでは産めません」と言われてハッとしたんです。
私は仕事にやりがいを感じていましたし、充実した毎日を過ごしていたんですが、妻にとっては初めての育児を一人で抱えることになるのでは、と不安しかなかった。
私はクライアントの希望に応えるために日々頑張っていたつもりでしたが、今思えば完全にオーバーワークでしたね。この仕事をしていては環境を変えられないと思い、転職することに決めました。
転職活動はどのように進めましたか?
今回の転職は「リージョナルキャリア静岡(株式会社リンク・アンビション)」一本で進めました。私を担当してくれたのは社長の原口さんでしたが、社長自ら相談にのっていただいたことに感激しましたし、本当に親身になって対応してくださったんです。
地元の転職支援会社は、地域企業と密着しているため、より幅広い豊富な情報を持っていること、そして、人事担当者だけではなく経営者ともパイプを数多く持っていることが優れた点だと思います。
正直、今回私もかなり無理な条件を出していたのですが、真摯な対応で、多くの提案を持ってきてくださいました。本当にありがたかったですね。県内で転職を考えているなら、全国向けより地元の転職支援会社が断然オススメです。
今の会社に決めたポイントは?
正直なところ、業種はあまり気にしていませんでした。決めたポイントの一つは、配属先が総務人事だったこと。前職のコンサルタント職で馴染みのあった部署なので、経験を活かせるだろうと考えました。
また、会社の経営理念に非常に感銘を受けました。社員を大切にしたうえで社会貢献するということを掲げているんです。この会社なら、子育てを一人で抱えて不安になっていた妻も喜ぶだろうなと思いました。
それから、朗らかで誠実な社長の人柄にも魅了されました。今、社長から直々に仕事を受けることも多いのですが、一緒に仕事をできてありがたいなと、日々感じています。
会社の規模感もよかったですね。以前の職場はグループ全体では1万人を超える規模だったので、社長とはなかなか会えないのが当たり前。今の会社は社員500人で、グループ全体でも1,100人ほどなのですが、社長とすぐに会えますし、自分の提案した企画を評価してもらうことも多く、非常にやりがいを感じます。
思い切って環境を変えることで、公私ともに充実した日々を手に入れた。
転職していかがですか?
満足度が高いですね。転職して3年目になりますが、会社に居場所があるなと感じています。前職の経験を活かし、会社がより良くなるように提案してほしいと期待されていると感じますし、ありがたいことに会社側も柔軟に提案を受け入れてくれています。
勤務時間については、平日は残業が少なく、土日もほとんど休めるようになりました。仕事とプライベートのメリハリがついて、今はどちらも充実しているなと感じます。それから、月曜日が辛くなくなりました。前職も仕事にやりがいを感じていて、気に入っていたつもりだったのですが、長時間労働でしたので、体はついてきていなかったんでしょうね。
転職して良かったと思うことは?
銀行ではクライアントに融資の提案をしたり、コンサルタント職の時は経営の相談に乗ったり。過去に就いていた二つの仕事は、社外に対してサービスを提供してきました。しかし、現在は社内に対してサービスを提供する仕事。従業員の悩みや要望を聞いて、自分たちの環境をよくする仕事なんです。なんていい仕事をさせてもらえているんだろうと感謝して、社員向けに発信する文書一つとっても、より伝わるように工夫しています。
それから、入社前には社員研修制度がなかったのですが、提案したところ採用されることになりました。実際に研修をやってよかったという声を聞くと、役に立てたと感じて嬉しいですね。また、社長から直接仕事を依頼されることも、責任ある立場を任されていると感じ、誇りに思います。
困っていることや課題はありますか?
課題と言いますか、意識しているのは、自らどんどん企画・提案して実行していくこと。私は総務企画課なので、会社のためになることを考えるのが仕事なのですが、内容は任せてもらっていて、ルーチンがほとんどないんです。だから、自ら動かないと暇になってしまう。常に気を引き締め、自分で自分を律するようにしています。自由なように見えて、ある意味いいプレッシャーになっていますね。
そのほかには、私は本社勤務なので、現場のことはまだまだ分からないことも多いです。分からないことには真摯に向き合い、勉強させてもらいながら、私の持っている知識と合わさることで、より良い会社環境を作っていけたらといいなと思っています。
生活面の変化はありましたか?
残業や土日出勤がなくなったので、妻がとても喜びました。長男も無事に生まれ、平日は私がお風呂に入れています。子供の世話は大変ですが、仕事とはまた違って楽しいものですね。前職だったらこんな充実した日々は過ごせなかったと思います。
また、以前はまったく持つことのできなかった趣味の時間ができました。週に一度、平日の夜に地元の体育館で行われているバレーボールに参加しています。以前よりも健康的になって、友人の幅も広がり、この上ない幸せを感じていますね。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
自分に合う仕事を探すのって、なかなか難しいですよね。私のおすすめは、業界を限定しないで職を探すことです。どうしても経験のある業界を選びがちですが、それよりも、なぜ転職を考えたのか、自分がどうなりたいのか、どんな仕事をしたらハッピーなのか、ということを考えて探すと、理想の職場に出合えるのではないかと思います。
なんとなく「自分に合った会社がないかな~」と探していても、いい会社は決して降ってきたりしません。大事なのは「自分探し」ではなく「自分決め」。自分がどうなりたいかをイメージして、それが実現できる職場を自分で決める。そうすれば理想の職場を手に入れられると思います。
今の職場環境に満足していない方は、勇気を出して転職活動の一歩を踏み出すのもひとつの手だと思います。会社の職場環境など、自分ひとりではなかなか変えることが難しいものもあります。転職活動をする中で、新たな選択肢が見えてくるかもしれません。ぜひキャリアの専門家であるキャリアコンサルタントの力を借りて、本当になりたい自分を実現してくださいね。