転職成功者インタビュー

株式会社キャタラー
高野謙二さん(仮名・海外営業) 28歳

海外転勤の無期延期をきっかけに、将来を見つめ直し、地元に腰を据えようと決心。

機械部品メーカーの営業職として名古屋で働いていた高野さん。2020年1月に海外転勤の辞令を受けて着々と準備を進めていたものの、コロナ禍で転勤は急きょ「無期延期」となってしまった。

以前の仕事は後任に引き継ぎ済みで、状況の改善を待つしかないという日々。その中で自分の将来を見つめ直した高野さんは、自分の故郷であり、妻も住む静岡へ戻り、新たにやりがいのある仕事を見つけようと決心する。

約3ケ月の転職活動を経て静岡へのUターンを果たし、「転職前はこれほど希望通りの企業が見つかるとは想像していなかった」と笑顔で話す高野さんに、静岡での新しい生活について伺った。

(※本記事の内容は、2021年7月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで45日間

転職前

業種
機械部品メーカー
職種
営業職
業務内容
工作機械、産業用ロボット、半導体製造装置メーカーに対する駆動部品の提案営業

転職後

業種
トヨタ自動車グループの触媒メーカー
職種
海外営業(グローバル営業部)
業務内容
アジア圏に展開する二輪車メーカーに対する触媒の提案、輸出入業務など

コロナ禍で状況が一変。結婚もしたことで「変わるべきでは?」と感じた。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

キャタラーは「触媒」を主力とするメーカーです。自動車や工場からの排気ガスには、人体や環境に悪影響を及ぼす多様な有害物質が含まれています。これらを化学反応によって無害化するために欠かせないのが触媒です。

私はグローバル営業部に所属し、アジア圏に展開する二輪車メーカーに対して、触媒の提案や納期調整、輸出入業務などを担当しています。まだ入社して日が浅いので、先輩のオンラインミーティングなどに同席し、製品知識や営業手法などを勉強しているところです。

化学分野の専門的な研究テーマや業界トレンドから各国における政治経済の動向まで、営業現場での話題は多岐にわたり、想像以上に難易度の高い仕事だと実感しています。少しでも早く独り立ちしたいと思いながら業務に取り組んでいます。

入社前のご経歴を教えてください。

地元・静岡の大学を卒業し、関東圏内に本社を置く機械部品メーカーに就職しました。1年間の本社研修を経て名古屋に配属となり、その後5年間、工作機械や産業用ロボット、半導体製造装置などのメーカーに対して駆動部品の提案営業を行っていました。

転職のきっかけは?

コロナの影響で、予定していた海外転勤が延期になったことです。2020年1月に海外転勤の辞令を受け、3月の渡航に向けて後任者への引継ぎや事務手続きを済ませていたんです。

ところが緊急事態宣言の発令で海外転勤は無期延期に。すでに後任者が着任しているため、国内で担当すべき業務がなく、いつGOサインが出るかわからない状況で待機する日々が続きました。この間、コロナによる業績悪化などもあり、このままずっと待ちの姿勢でいいのか、自分の将来について考えるようになったんです。

一方、プライベートでは2020年3月に結婚。そうした複数の環境変化が重なったことで「今こそ自分が変わるべき時ではないか?」と思い、転職を決意しました。

転職活動はどのように進めましたか?

最初は興味のある企業のホームページから、直接応募を繰り返していました。ところが、いつまでたっても結果が出ません。世の中はコロナ一色に染まり、なかなか状況が好転しない中で自分の転職活動もうまくいかず、心が折れそうになりました。

そこで思い切っていくつかの転職エージェントに登録することにしたんです。そのなかの1社がリージョナルキャリア静岡でした。面談ではコンサルタントから地元の非公開の求人情報を紹介してもらったり、履歴書を添削してもらうことで、転職活動がスムーズに進むようになりました。

今の会社に決めたポイントは?

電動化や自動運転といった新技術の開発が加速し、100年に1度の変革期にあると言われる自動車業界に飛びこんで自分の力を試してみたいと思いました。

キャタラーは自動車やバイクなどの触媒だけではなく、燃料電池に使われる電極触媒も手掛けています。またキャタラーの触媒は、工場やごみ処理場などの環境分野にも需要があります。世の中の変化にも柔軟に対応できる企業だと確信したので、迷わず入社を決めました。

「化学」という未知の領域に飛び込んで日々学ぶ中で、自分の成長を実感。

転職していかがですか?

中途入社の比率が高い職場ということもあり、すぐに馴染めました。また、取り扱いに危険が伴う化学薬品を扱っているせいか、研究開発や製造現場だけではなく、営業現場でも「安全第一」の姿勢が浸透しています。

営業現場にありがちな「確証は持てないが、とりあえずやってみろ」という空気は一切なく、先輩や上司が徹底して目を配ってくれます。ですから、業界未経験の私でも安心して業務に取り組めています。

転職して良かったと思うことは?

文系出身の私にとって「化学」は全く未知の領域でした。そこに飛びこんで、今まで「自分には無理だ」と思い込んでいた課題に正面から向き合ってチャレンジしている経験は、自分を大きく成長させてくれる原動力になると思います。成長が実感できる環境に身を置けたことに満足しています。

困っていることや課題はありますか?

部署の先輩方は30代が中心で、私の年齢とそれほど変わりません。でも、その仕事ぶりはプロフェッショナルそのもの。先輩たちが不安そうな表情を浮かべたり、右往左往したりする姿は一度も見たことがありません。

自分が同じくらいの年齢になった時に、先輩たちと同じくらいのスキルや知識を習得できるよう、頑張りたいです。

生活面の変化はありましたか?

現在は職場から2キロほど離れた社宅に、妻と二人で暮らしています。月々わずかな負担で住めるので、経済的にとても助かっています。実家からも車で30分程度なので、何かあってもすぐに駆け付けることができ、名古屋に住んでいた頃に比べて安心感が全く違います。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

キャタラーの最終面接で受けた質問は「前職でどんな課題に取り組んだか」「課題をクリアするためにどんな工夫をしたか」といった内容が中心でした。私はてっきり、志望動機についての質問が中心になると思っていたので、前職のことを詳しく尋ねられたのは意外でした。

でも考えてみれば、現在の職場で自分の仕事に向き合っていない人が、新しい職場で活躍できるわけはないですよね。「今の状況から抜け出したい」という思いで転職を考える人が多いでしょうが、現状に対して自分なりにどういった取り組みをしたか、成功や失敗からどういう教訓を得たか。今まで自分が積み重ねてきたことは何か、転職する前にしっかり整理しておくことをおススメします。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
池戸 岳

高野さんの印象は、非常にまじめで優秀な方。分厚いファイルに企業や業界の情報をまとめたり、志望企業のコンシューマ向け製品を購入したりと、徹底した企業研究を行っていました。

企業研究は皆さん行いますがここまで徹底できる方は珍しく、こうやって真摯に転職活動に向き合う熱量は、きっと応募企業に伝わるだろうなと感じました。

ただ、初めての転職活動で不安を感じているようにお見受けしたので、一次面接、最終面接前などそれぞれのタイミングでオンライン面談を行い、不安を解消し自信をもって面接に臨んでもらえるよう努めました。

入社後にお電話でお話ししたところ、非常に楽しそうな高野さんの声を聞くことができ、私も嬉しく感じています。今後の活躍を楽しみにしています。

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