転職成功者インタビュー

株式会社遠州鉄道
早坂将司さん(仮名・不動産開発) 32歳

自分にとっての「豊かさ」とは?その答えが、Uターン転職にあった。

「もともと地元愛が強かった」という早坂さん。まとまった休みがとれるたびに、東京から静岡へ帰省。趣味のサーフィンを楽しんだり、実家の茶畑を手伝っていた。だがそんな早坂さんでも、地元への転職は、迷いに迷った。Uターンを具体的に考え始めたのは、30歳を過ぎた頃。

しかし真剣に考えれば考えるほど、地元へ帰る不安も大きくなったという。「収入は減るだろうし、不便にもなる。付き合う人も変わる。それでも本当に帰るべきなのか?」-自問自答を繰り返した末に、31歳で妻子を連れてのUターンを決断。

その背中を押したのは、「自分にとっての豊かさとは何か」「どんな人生を過ごしていきたいのか」という問いかけだった。

※本記事の内容は、2014年5月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
2回
活動期間
エントリーから内定まで45日間

転職前

業種
総合不動産業
職種
不動産・建設
業務内容
マンションディベロッパー業務全般

転職後

業種
鉄道
職種
不動産開発
業務内容
土地建物の維持管理及び新築の開発工事発注

「静岡に帰るなら、早い方が子どものためにもなる」と妻を説得。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

鉄道会社の不動産事業部で働いています。遠州鉄道グループが保有している駅舎や路線バス営業所、テナントビル、賃貸マンション、遊園地、旅館、介護施設といった建物の建設やメンテナンスなどを担当しています。

具体的には、業者への設計業務や建築業務の発注、施工現場の管理、賃貸物件の管理などに携わっています。

入社前のご経歴を教えてください。

マンションデベロッパーで開発業務に携わっていました。建設部からスタートして、その後、営業部やプロジェクト推進部など、いろいろな部署を経験しました。

転職する直前は、マンション建設用地仕入れを担当する部署で主任を務めていました。

転職のきっかけは?

もともと静岡への愛着は強く、地元を離れてからも頻繁に帰省し、趣味のサーフィンをしたり、実家の農作業を手伝ったりしていました。しかし、具体的にUターンを考え始めたきっかけは、子どもが生まれたことですね。

「これからどこで子育てしようかな」と考えたときに、地元に帰って、自分と同じ環境で子どもを育てるという選択肢も良いなと思ったんです。そこで、軽い気持ちで静岡で募集している会社がないか調べ始めました。

転職活動はどのように進めましたか?

仕事を続けながら、まずは転職サイトに登録し、職務経歴書を書き始めましたが、不安な気持ちもありました。地方への転職は、年収が下がることも覚悟しなければなりませんし、妻も仕事を持っていたので、なかなか話を切り出すことができませんでした。

転職の準備をしながらも、ずっと自問自答を続けていました。しかし最終的には、「自分は地元が好きなんだ」というところに行きつきましたね。海や茶畑が広がる環境で暮らせたら幸せだろうなと思うようになりました。

妻には、今の会社に初めて面接に行く直前に話をしました。簡単には決められませんでしたが、最終的には妻も同意してくれました。また、妻は在宅勤務という形で会社に残ることができたので、それも助かりましたね。

今の会社に決めたポイントは?

私は不動産関連の仕事がしたいと考えていましたが、大手の人材紹介会社から紹介された求人は、自分の希望と合致するものがありませんでした。私は会社の母体には特にこだわりはなく、街づくりに関わる仕事で地元に貢献したいと思っていました。

静岡県内でそのような会社を探すことはとても難しかったのですが、リージョナルキャリア静岡から紹介された会社の中に、まさに私が探していた会社があったのです。

「地域とともに歩む総合生活産業」という企業理念に共感し、中途採用も多く行っていたので、入社後に馴染みやすそうだと感じたことが決め手になりました。

自分の時間が大幅増。出勤前にサーフィンも!

転職していかがですか?

自社ビルや百貨店、スーパー、介護施設などの建設工事やメンテナンスをしていると、「地域の発展に貢献している」という実感を持てます。

また、転職して携わる建物の種類が広がったことも嬉しいですね。新たな勉強も必要ですが、新鮮な気持ちで仕事に取り組むことができています。

生活面の変化はありましたか?

とにかく通勤が楽になりました。以前は満員電車で1時間かかっていましたが、今はバスで10分です。ストレスのかかり方が全然違いますね。以前は毎日21時頃帰宅し、食べて寝るだけしかできませんでしたが、今は19時台に帰宅できるので、家族と一緒に夕飯を食べたり、読みたかった本を読む時間もつくれるようになりました。自分の時間が圧倒的に増えましたね。

休日は、家族と海の幸を食べたり、サーフィンに行ったりしています。海まで車で10分ほどなので、サーフィンは毎週行っています。

また、共働きなので、実家の両親に子どもを預ける機会が増えました。僕たちも助かりますし、両親も嬉しそうです。これも親孝行だったかなと思っています。

静岡に帰ってきて驚いたのは、道ですれ違う子どもたちが普通にあいさつをしてくれることです。住民同士が助け合い、心のゆとりを感じます。このような環境で子育てができるのも嬉しいですね。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

コンサルタントとの最初の面談で、「転職をするうえでの軸は何ですか?」と聞かれ、ワークライフバランスと答えました。しかしながら、いざ決断する段階になると、環境の変化や収入の減少など、気になることが出てきて迷うんですよね(苦笑)。

そんなときに、コンサルタントが「最初にこう言ってましたよね」とワークライフバランスのことを思い出させてくれました。あの言葉で背中を押してもらったように感じます。

つまり、自分が幸せと感じられる状況を深く掘り下げることが大切で、自分にとっての豊かな生活がしっかりイメージできていれば、的確な判断ができると思います。

特に地方へのUターンの場合は環境が大きく変わるため、「今の環境が嫌だから」ではなく、前向きな未来をイメージすることが大切だと思います。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
種市 一仁

早坂さんは当時東京にお住まいで、帰省のタイミングで静岡でお会いしました。当時の状況や今後について、しっかりと自分の言葉でお話しいただき、「この方を採用したい静岡の企業は多いだろうな」と感じたのを覚えています。また私自身も、地元の力になりたいという早坂さんの思いをお聞きして、ぜひ力になりたいと思いました。

複数の企業をご紹介させていただき、企業の早坂さんに対する評価も高かったのですが、首都圏の給与水準と比較すると見劣りするため、何度も打ち合わせを重ね、ようやく良縁となりました。

現在も親しいお付き合いが続いており、私自身も早坂さんから多くのことを学んでいます。早坂さんのような「都市部でキャリアを積んだ方がUターンし、地方の活性化に貢献する」という、モデルのようなUターン転職に携わることができ、改めて嬉しく思います。

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